*ハーグ陸戦条約[#x304b298]

 正式名称は「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約」及び「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」。
 1899年7月29日にオランダのハーグにて開催された、第一回国際平和会議にて締結された陸戦における法規。1907年10月18日の第二回国際平和会議にて「ハーグ陸戦協定」に改定された。この協定が直接加盟国の軍の行動を規制するわけではなく、条約加盟国が制定した法律に基づいて規制される。
 ジュネーブ諸条約と共に代表的な武力紛争法とされており、交戦者や捕虜、傷病者の取り扱いの他、宣戦布告、戦闘員と非戦闘員の定義、捕虜や傷病者の扱い、使用してはならない戦術、降服、休戦などが規定されている。
 特に23条においては、“毒、または毒を施した兵器の使用”や“不必要な苦痛を与える兵器、投射物、その他の物質”の使用が禁止されている。

 ここでいう“不必要な苦痛を与える兵器”には[[.50口径>口径]]弾や[[散弾銃]]などが挙げられるとされているが、協定の中に明記されている訳ではなく、あくまで各国の暗黙の了解に基づく解釈である。そのためいざ戦争となると、どうにでも解釈を捻じ曲げることができることが問題と言われている(というか、そのための「暗黙の了解」なのだが)。制定間もない第1次世界大戦の当時ですら、各国は事実上ハーグ陸戦協定を(あまり)尊重しなかった上に、恣意的に利用していたのが実際であった。

 なお“条約”の批准はしたが“協定”は批准していない国家の場合には、当然に“条約”の拘束を受ける。なお、日本は“協定”を批准している。

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