*ノンフルートシリンダー / Non-flut
#author("2024-03-09T19:25:14+09:00","default:user","user")
*ノンフルート・シリンダー / Non-flute Cylinder [#xdf1f225]

 [[リボルバー>回転式拳銃]]のシリンダーには、通常、外側に「フルート」と呼ばれる溝が彫りこんでいる。装弾数6発のリボルバーなら6本、5発のリボルバーなら5本の溝が刻まれていて、リボルバーの外見的特徴となっている。
 [[リボルバー(回転式拳銃)>回転式拳銃]]のシリンダー(回転式弾倉)の中で、肉抜きのフルート(縦溝)が施されていないものを差す。[[コルト ドラグーン>回転式拳銃/コルト ドラグーン]]などの[[パーカッション]]リボルバーの時代には、フルート加工が一般的ではなかったことと、使用[[弾薬]]が小型でシリンダー径も小さく軽量化の必要が薄かったため、こちらのシリンダーが一般的だった。

 薄い金属板を折り曲げたり樹脂で一体成型する[[オート・ピストル>自動拳銃]]のマガジンと違い、レンコンのような形をしたリボルバーのシリンダーはそれだけでかなりの厚さと重さがある。そこでフルートを彫りこむことによってシリンダーの余分な肉をそぎ落とし、軽量化することができる。リボルバーに限らず[[拳銃]]の長所が携帯性である以上、実用的な問題がない限り重量は軽いほうがいい。
 現代リボルバーは一般にフルートを施すことで軽量化を図っているが、ノンフルート・シリンダーは、ハンティングや射撃愛好家向けの銃――特に[[スタームルガー ブラックホーク]]などの[[.44マグナム>口径]]クラス以上のハイパワー弾薬を用いるモデルに採用されることが多い。
 通常モデルはフルート付きのシリンダーを。ハイパワーモデルは強度確保のためノンフルート・シリンダーを搭載するという図式が一般的だが、[[S&W>スミス アンド ウェッソン]]社の[[M500>SW M500]]などは銃そのもののサイズがこれまでのリボルバーに比べ桁ハズレに大きいため、フルート付きのシリンダーでも十分な強度が確保できている。

 またシリンダーはリボルバーの構造上、1発ごとに回転して次弾を繰り出す仕組みになっている。ラチェット(シリンダーノッチ)などの防止装置が組み込まれているためほとんどそうした心配はないものの、シリンダーが重すぎると、”回転時の慣性でオーバーランしかねない”という可能性も、軽量化の理由の一つになっている。
 ノンフルートシリンダーはハンティングや射撃愛好家向けの銃―特に[[44マグナム>SW M29]]クラス以上のハイパワー弾薬を用いるモデルに採用されることが多い。
 通常モデルはフルート付きのシリンダーを、パワーアップモデルは強度確保のためノンフルート・シリンダーを搭載するという図式が一般的だが、[[S&W>スミス アンド ウェッソン]]社の[[S&W M500>SW M500]]などは銃そのもののサイズがこれまでのリボルバーに比べ桁ハズレに大きいため、フルート付きのシリンダーでも十分な強度が確保できている。

 なお、古い設計のリボルバーでもフルートなしのモデルがあるが、こちらは時代的にフルートを刻むのが一般的ではなかったことと、使用弾薬が小型だったためシリンダー径も小さく、軽量化の必要が薄かったためである。

 
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