*ダブルアクション/Double Action [#fb1dc190]
 [[ハンマー]]が起きてなくても、引き金を引く力でハンマーが連動して起きる([[コック>コッキング]]される)機構のこと。一回のトリガー動作でハンマーがコッキングと発火(ファイアリング)、二つのアクションを行うところからこう呼ばれる。
 薬室に弾が装填されていれば、ハンマーコックなどの余計な動作の必要なくサイトで狙ったまま連射できるため、[[リボルバー>回転式拳銃]]においては[[シングルアクション]]式の銃より使い勝手が良い。
 しかし、トリガーにハンマーを起こす力がかかる分、シングルアクションよりも引き金を引く距離(トリガーストローク)が長く、かつ[[トリガープル]]が重いため、[[ガク引き]]などで命中率が低下しやすい(その一方で、逆にトリガーが重い分、不用意に引いてしまうリスクが低くなるというメリットもある)。
 リボルバーでは特に[[S&W>スミス アンド ウェッソン]]社がリードをとる形で、スムースなトリガープルを持つダブルアクションを実現し、次第にシングルアクションに取って代わっていった(逆に[[コルト]]はこの流れに乗り遅れ、その後の凋落の一因となる)。
 [[自動拳銃]]でも[[ワルサー P38]]を皮切りにダブルアクションが普及していったが、初弾や不発時以外には特に必要ではないため、シングルアクションを駆逐するまでには至っていない。しかし、メカニズムや安全対策(オート セフティ)が向上するにつれ、マニュアル セフティを省いてダブルアクションオンリー(DAO)とした製品も増え始めている。
 [[自動拳銃]]でも[[ワルサー P38]]を皮切りにダブルアクションが普及していき、現在ではダブルアクションが自動拳銃の標準仕様となっている。ただしリボルバーの場合とは意味が少し違い、初弾発射や不発時にはダブルアクションだが、次弾からは自動的にハンマーがコックされてシングルアクションでの動作となる。
 このようなダブルアクションを備えた自動拳銃が広まっていった頃、ダブルアクション式のリボルバーの重いトリガープルに慣れていた人々の間では暴発事故が少なからず発生した。この事態を重く見たアメリカでは、次弾以降シングルアクションとなる機構を敢えて廃したダブルアクションオンリー(DAO)の製品が登場し、初心者や公的機関の間で広まっている。
 更に近年では[[AFPB]]などのオートセーフティが発達したため、DAO特有のトリガーストロークの長さのみを安全装置とし、トリガープルを軽くした変則DAOの自動拳銃([[グロック>グロック 17]]シリーズや[[SIG DAK>シグザウアー P226]]、[[ワルサー P99QA>ワルサー P99]]シリーズなど)が開発され注目を集めている。

 ちなみに、もともとダブルアクションといえば[[シングルアクション]]と併用可能なものが普通だったが、ハンマーがコック位置で停止しないDAOの機構が現れると、区別する意味でそれまでのダブルアクションを「コンベンショナルダブルアクション(Conventional Double Action)」と呼ぶようになった((クラシックDAとかトラディショナルDAと呼ぶこともあるようだ。))(表記上は「DA/SA」などとされるのが普通のようだ)。

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