*タクティカルライト / Tactical light
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*タクティカルライト / Tactical light [#y97b27ce]
#ref(surefire e2dl_45l.png,right,around,34%,シュアファイア製 ストライクベゼル付きタクティカルライト)
 主に軍・法執行機関向けに作られたフラッシュライト(懐中電灯)の一種。
 銃とセットで運用されることが多く、[[拳銃]]の場合は片手で銃を構え、もう片方は逆手でライトを持つスタイルが知られているが、[[マウントレール]]を備えた銃に直接装着して使用可能な、ウェポンライトと呼ばれるものもある。またウェポンライトには、[[ハンドガード]]や[[フォアグリップ]]などに予め組み込まれたタイプもある。
 一般的な懐中電灯に比べ、非常に大光量であるため、[[CQB]]や[[CQC]]おいては、暗闇を照らすだけでなく、強烈な閃光で敵を怯ませたり、ウェポンライトの場合、近距離での照準装置としても使用されたりする。
 一方、照明装置である性質上、暗所での戦闘では自分の所在を敵に知らせるリスクも当然あるため、点灯スイッチには様々な工夫が施されている。通常、タクティカルライトのスイッチは、押しつづけない限り点灯しないタイプで、ON/OFFが素早く行えるようになっている。もちろん、戦闘用だけでなく暗所での作業でも扱えるよう、ONの状態でロックできるようにも施されている。
 手に持って使うものも含まれるが、タクティカルライトという場合は主に銃に装着するものを指す。これはウェポンライトとも呼ばれる。
 夜間にはほぼ必須のアクセサリーであるためその起源は古く、現代的な洗練された[[マウントレール]]の登場以前も[[ハンドガード]]の穴に埋め込んだり、テープで止めるなどの方法で運用されてきた。
 近年は超小型タイプのものも多いため、[[フォアグリップ]]と一体となったものや、小型のものが埋め込まれてほとんど非内蔵のグリップ単体と変わらないものも存在する。

 タクティカルライトは過酷な環境での運用を想定しているので、バッテリーや電球はタフであることが必須である。そのため、長時間の点灯が可能なリチウムバッテリーや、高輝度・長寿命・省エネが特徴のキセノンランプやLEDランプが用いられることが多い。
 例として、シュアファイア製のLEDタクティカルライトは、約72時間の連続点灯が可能である。ちなみにこのメーカーからは、ストライクベゼルという打突用スパイクが設けられたライトも販売されている。
 性能的には長距離を照らすためや、近距離の敵を怯ませるために目潰しとして使えるよう、一般的なフラッシュライトに比べ強力な光量のモードを有するものが多い。
 用途に応じたカラーフィルターも使用可能となっており、赤色や青色、緑色などが用いられる。これらのフィルターは光量やコントラストを下げることで長時間使用する際の目の負担を軽減したり、地図など近距離のものを見る際に利用したり、合図や特定の物体の発見(例えば、青色光は血に反射しやすい)に用いられる。
 [[ナイトビジョンサイト>暗視装置]]と組み合わせるための赤外線波長のみを通すIRフィルターなども存在する。((特定の波長の光のみを照射できるLEDモデルでは、フィルターを使用せずとも赤外線のみを照射できるため、LEDが主流になっている現在ではカタログからは消えつつある))
 フィクションでは、映画『[[ブレイド2>ブレイドシリーズ]]』で対吸血鬼用に紫外線フィルターを装着したウェポンライトなどが登場している。
#ref(X400_1911_2.jpg,right,around,35%,シュアファイア製 ウェポンライト)
 これらのフィルターは通常の光での照射が可能なよう、フリップアップカバータイプのものとなっているものが多い。
 
 また素早く確実な操作が可能なよう、通常のフラッシュライトよりも高速かつ安全なON/OFF機能も用意されている。
 多くのタクティカルライトでは、意識して操作しない限り消灯状態となるよう、スイッチを押している間のみ点灯する機能が備えられている。また、ウェポンライトでは、テープスイッチやレールマウントスイッチをライトから離れた位置に固定しコードを介して操作するリモートスイッチに交換可能なモデルもある。これにより銃を保持したままのライトの操作性を向上させられる。
 意図しない点灯をしないよう確実に消灯するためのキルスイッチや、手動で素早く開閉可能なカバーなどもある。

 他の電気製品同様、タクティカルライトも科学技術の進歩によって大きく性能を向上している。
 かつては高輝度だが電力消費の激しいキセノンランプや、出力は大きいが環境負荷の大きいニッケル・カドミウム蓄電池などが使われていたが、近年では高性能なリチウム電池やLEDの普及によってより軽量で安定した性能を発揮できるモデルが登場している。
 例えばシュアファイア社の同じ本数の電池を用いるリチウム電池モデルで比較すると、旧式のキセノンランプ・タクティカルライトは最大65ルーメンで点灯時間は60分程度、重量が140g程度であるが、同クラスのLEDタクティカルライトでは最大320ルーメンで2.5時間点灯可能である。
 さらには多機能化された、[[レーザーサイト]]と組み合わされたコンボデバイスや、白色の可視光線と赤外線の切替機能を持たせたモデル、さらにはストロボ機能により強力な幻惑効果を持つモデルも登場している。

 また、手持ち用のタクティカルライトには鈍器としても使用可能なよう、強化された打突用スパイクが設けられたベゼルを持つモデルも存在する。こうした用途に製造されたものは「ストライクベゼル」とも呼ばれ、サードパーティ製モデルを別途購入して装着することも可能である。
 メディア作品では銃とセットで構えることで刀の二刀流を彷彿とさせるような独特のスタイルを持つものも見受けられるが、実際に前述のストライクベゼルなどと併せた格闘技術を指導するインストラクターも存在しており、こうした技法は比較的現実的なものも多い。

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