#author("2020-07-17T00:40:20+09:00","default:user","user")
*ソードオフ / Sawed off [#r7015ee5]

 [[散弾銃]]の銃身(バレル)と[[銃床(ストック)>銃床]]を切り詰める事。sawは英語で「ノコギリで切る」という動詞であり、sawed offは「(ノコギリで)短く切り詰めた」という意味になる。
 全長が短くなり重量も低下することで、[[ホルスター]]やコートの中に収めて携帯しやすくなり、屋内での取り回しもよくなる。また、銃身を切り詰めて銃口付近の絞り([[チョーク]])を無くすことで、射程距離が短くなる代わりに発射された散弾がすぐに拡散して至近距離での殺傷力増大につながる。こうした利点から銀行強盗など屋内での犯罪に用いられやすいことから、アメリカなど世界各国でソードオフ形態の散弾銃を製造・販売することは禁止されており、ユーザー自らが改造することも違法である。例としてアメリカでは全長45cm未満、日本では銃身48.8cm以下の散弾銃は取り締まりの対象になる。

 その性質上戦場の利用は少ないがアメリカ南北戦争では騎兵の武器として使われた他、第一次世界大戦の塹壕戦では、[[短機関銃]]の始祖となる[[MP18>短機関銃/ベルグマン MP18]]を開発したドイツ軍に対して、アメリカ軍は接近戦に有利な銃身を切り詰めた散弾銃を投入して応戦した。トレンチ(塹壕)ガンとも呼ばれるこうしたショットガンの有効性を再認識したアメリカ軍は、その後も軍用ショットガンを採用し続けることになる。

 また、1972年2月19日に起きたあさま山荘事件でも連合赤軍のメンバーがソードオフの散弾銃を装備していた。

 以上のような性質によって、ソードオフには常に背徳的かつ凶悪なイメージが付きまとうためにフィクション上では主に悪役、もしくはアンチヒーロー的な人物がソードオフ改造を施した散弾銃を使用する場合が多い。またその種類は[[水平二連式>二連式散弾銃]]が多い。
 
 なお映画『[[ターミネーター]]』では、散弾銃をソードオフに改造するシーンが登場する。
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