銃を肩に掛けるための紐、またはベルト状のもの。小銃や短機関銃、散弾銃といった長めの銃に用いられることが多い。
英語では「sling belt」や「gun sling」、 日本語では負革や負い紐、背負い紐と呼ばれることもある。
使用することで腕への負担が減り、長距離の行軍でも携行が楽になる。更に銃を体にぶら下げたまま、両手を自由に使えるようになる。
特に緊迫した集団戦においては「銃を落とさず(両手を用いて素早く)負傷者を後方に移動できる」という効果は非常に重要となる。(実際のBOPE部隊でそのような訓練が行われているかについては不明だが)映画『エリート・スクワッド』の劇中では、スリングを掛けずに味方を回収しようとする訓練生が叱咤される姿が描写されている。
携行用のほかにも、腰だめ射撃や伏射の際に銃の固定補助として用いることもできる。M1ガーランドやSVDのような長い銃を立射・座射する際、フェルールやフロントサイトなどに通したスリングを操作してライフル先端の操作性を向上させるのである。フォアグリップ(ひいてはマウントレール)や、より人間工学的なタクティカルストックが登場する以前は特に使用されたテクニックである。
その歴史は古く、18世紀前半の頃のマスケット銃には既に存在していた。
かつては革製だったが、現在ではナイロンなどの化学繊維製の物が最も広く用いられている。パラコード(高強度の汎用紐として軍用の他、アウトドア用品としても用いられるパラシュート用の紐)を編み込んだものを代用する場合もある。
スリングを取り付ける為に銃に備えられた金具をスイベル(負環)やDリングと呼び、これを使ってスリングを装着する方式をライフルスリング(rifle sling)と呼ぶ。
これが無い場合、ストック等にスリングを巻き付けて代用することがあり、こちらはサファリスリング(Safari sling)と呼ばれる。
最近ではクイック脱着式でスイベルが交換可能になっていたり、ピカティニーレールに取り付けるスイベルが登場している。
主に以下のような形式のスリングが存在する。
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