「スプリングフィールド」には、かつて存在したアメリカ国営の造兵廠スプリングフィールド造兵廠と、民間にブランドが売却された後のアメリカの民間企業スプリングフィールド・アーモリーがある。
上記の2社は法人的には関係のない別会社なので、ただ単にスプリングフィールドと書いてある場合は注意が必要である(さらに付け加えるならば、スプリングフィールドは英語圏でありふれた地名である)。
この項では双方とも記述する。
スプリングフィールド造兵廠は米・マサチューセッツ州スプリングフィールド市にかつて存在していた、国営の小銃開発施設。
英語での正式名称では、こちらも「スプリングフィールド・アーモリー」となる。
前身となる1777年建設のアメリカ陸軍施設「The Arsenal at Springfield」が1794年、ジョージ・ワシントン初代大統領の命により各種機関を統合、小火器の国産化を目的としたスプリングフィールド造兵廠が設立された。
南北戦争では、北軍を中心に同社製のM1863 ライフルマスケット銃が使用された。
その後はM1ガーランドやM14などの名銃を開発している。
なお、第二次大戦中には自社のライン生産だけでは需要に対応出来なかったコルト社からの委託を受けて、オリジナルのM1911専用スライドや各種の部品を製造していたこともある。腕利きのガンスミス(経験豊富な銃砲工のこと)を多数擁していたことでも有名。
しかし、ベトナム戦争に投入されたM14が「失敗」に終わり、正式採用銃の座もコルト社のM16に奪われ、1968年に閉鎖された。
現在、施設・敷地・建物は記念公園及び博物館として残っている。
スプリングフィールド M1903?
1974年にL.H.Gun社のロバート・リース(Robert Reese)が、「スプリングフィールド・アーモリー」のブランド名を買収して作った新会社。社屋は米イリノイ州・ゲネセオ(Geneseo)にある。
略称の「SFA」として表記されることもある。
現SFAは、前述のようにベトナム戦争で制式解除されたM14の軍放出品を利用したスポーターモデルの生産で始まった。一時期は軍用ライフルの民間向けクローンモデルの販売も行うなど、銃器ディストリビューターとしての顔も持っている。
新たな銃器をまるまる自社開発するメーカーではなく、部品の製造全てを賄うような自社工場も有してはいない。とはいえ、コルト社のM1911に関するパテントが失効した90年代の半ばからは、TRP、FBIビューローモデルなど、高性能なM1911系カスタムで知られるようになり、現在はカスタムショップとしての名声も得ている。
近年では、クロアチアのHSプロダクト社から「HS2000」というポリマーフレームオートを輸入し、XDの名称で販売を開始した。これが非常に好調なセールスを記録し、2009年にはXDに自ら大幅な改良を加えたXDMを発表。さらにセールスを伸ばす構えのようだ。
スプリングフィールド M1911A1カスタム
(主なものとしてMil-spec、センチメーターマスター、オペレーター、TRPなど)
スプリングフィールドXD
スプリングフィールド M1A(M14の民生型)
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