モデル | 外見 | 全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 発射形式 | 製造国 |
M14 | 1125mm | 4.59kg | 7.62mm×51 | 20 | S/F | アメリカ | |
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M21 | 1118mm | 5.26kg | 7.62mm×51 | 20 | S | ||
M1A | 1125mm | 4.17kg | |||||
SOCOM 16 | − | 946mm | 4.21kg | ||||
SOCOM II | − | 946mm | 4.76kg |
1957年にアメリカ陸軍に制式採用され、国営のスプリングフィールド造兵廠で製造された自動小銃。
第二次大戦後、アメリカ軍は旧式化したM1ガーランドに代わる歩兵銃の開発に乗り出した。そこでM1ガーランドをベースに、フルオート機能と多弾装の着脱式マガジン、そして新型弾である7.62mm×51(7.62mmNATO)弾を採用したのが、この「M14*1」である。
M14は7.62mm×51弾による高いストッピングパワーと長い射程を持っていたが、その反面一発一発の反動が強く、曲銃床?であったことからフルオート射撃の制御が困難だった。
その問題が表面化したのは1960年代のベトナム戦争であった。国土の大半がジャングルのベトナムでは、M14の長銃身は取り回しが悪く、視界が遮られて長射程も意味をなさず、近接戦闘に非常に不向きであった。また、高温多湿の気候が木製ストックの著しい変形を招くこともあった。これに慌てたアメリカ軍は、高速小口径弾用の銃として開発中だったAR15を「M16」として急遽制式採用する事となる。交換されたM14の多くはモスボール処理されて倉庫行きとなり、一部は中南米の国にタダ同然の値段で払い下げられた。
そんなこんなで、アメリカは戦争の真っ最中に主力火器および制式弾を変更する大失態を世にさらし、M14は『アメリカ軍史上最悪の制式銃』の烙印を押される結果となった。
M14は確かにベトナムでの主力火器としては適さなかったものの、デルタフォースを始めとする特殊部隊の隊員や古参の兵士たちの中には、その威力や扱いなれたデザイン故、M14を手放さなかった者が少なくなかった。また、狙撃用に改修されたM21は、アメリカ陸軍の制式狙撃銃として長らく現役で使われている。
1974年にはスプリングフィールド・アーモリー社が軍の放出品からスポーターモデルのM1Aを開発し、様々なバリエーションを追加しながら現在まで続く人気モデルとなっている。また、スプリングフィールド造兵廠より払い下げられた工作機材によって生産された台湾製クローンのT57(57式歩槍)や、ベレッタ社のBM59という、M1ガーランドを元に作られた「イタリア版M14」とでもいうべき銃も存在する*2。
2000年以降、アフガニスタンやイラクなどの広大な戦場においては、アメリカ軍の使用するM16やM4では射程が短いことから、威力の高さも含めてM14の再評価が始まり、軍倉庫に死蔵されていたそれらに全面的な改修を施した様々なモデルが実戦に多数投入されている。
これはアメリカ軍が幾つかのメーカーにM14の改修・近代化を依頼したもので、ナイツ(Knight's)社のRASや、セージ(Sage)社のEBR(Enhanced Battle Rifle)、トロイ(Troy)社のSOPMOD(Special Opeprations Peculiar Modification)などがある。これらは、木製からFRPや軽合金製のフォアエンド・ストックへの変更、可変バットストック、ピカティニーレールによるモジュラーシステムの採用など、かなり大規模なカスタムチューンが施されている。元の原形はほとんどなくなってしまっているものの、中身はM14そのものである。
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