*システム・ウェポン / System Weapon

 システム・ウェポン(System Weapon)とは、銃器に考案された構造で、戦場ではさまざまな銃を戦況により兵士が選択する必要があるが、複数の銃器を常に持ち歩く事は重量等の問題で現実的ではないため、新しい概念である「システム・ウェポン」が考案された。
 このシステムはメインコンポーネントを共通化することで銃身やストック、照準器などの部品の組み換えを行い、前線レベルで[[突撃銃]]、[[カービン>騎兵銃]]、[[軽機関銃]]、などのバリエーション展開が簡単に行える設計で、部品と一緒に部品をもち運び単一の武器で臨機応変に対応できる。
 それだけではなく操作のほとんども共通しているため兵士の教育時間も短くて済み、さらには製造ラインも共通のものを使用できる((このため技術後進国に供与されることもあるようだ。))と利点が多い。
 ただし初期ではプラスティックの開発が進んでおらず欠点があった、それは突撃銃やカービンとして使用した場合は銃そのものが重くなり、重機関銃として使用した場合はやや強度に不安があるといった「帯に短し、たすきに長し」((M63では軽機関銃モデルが最も優れているといわれている。現に[[SEALs>SEAL]]では軽機関銃モデルが使用された。))状態になってしまうことである。
 システム・ウェポン(System Weapon)とは、共通のコンポーネントを流用し、異なるカテゴリーに変更することを前提とした設計の武器のことである。
 銃器の分野では、ドイツの[[H&K>ヘックラー ウント コッホ]]の開発した[[G3>HK G3]]を始め、同じくドイツの[[G36>HK G36]]や[[XM8>HK XM8]]。オーストリアの[[ステアー AUG]]など、第二次大戦後作られた多くの歩兵用ライフルが、このシステム・ウェポンとして設計された。

 [[ユージン・ストーナー]]が[[M63>CG M63]]で開発したが、しばらく日の目を浴びることの無かったシステム・ウェポンであるが[[XM8>HK XM8]]や[[MASADA>マグプル MASADA]]といった次世代火器ではプラスティックの性能が向上したこともあってか、この概念が取り入れられている。
 これは、機関部など複雑な部品は設計を流用し、銃身やストック、給弾機構などの最低限の設計変更で、[[突撃銃]]、[[カービン>騎兵銃]]、[[軽機関銃]]などのバリエーション展開を行うというものだ。操作や構造のほとんどが共通しているため、新たな銃器をカテゴリーごとに一から開発するよりも時間がかからず、兵士の教育時間も短くて済み、製造ラインも共通のものを使用できるため低コストと利点が多い。

 また、[[ユージン・ストーナー]]が開発した[[M63>CG M63]]では、より進んだシステム・ウェポンとして、単一の銃器を部品交換だけで各種銃器に変更する、という概念が提示された。しかし、M63は、突撃銃などの歩兵用ライフルとして使用した場合は銃そのものが重くなり、機関銃として使用した場合には強度が不足するといった「帯に短し、たすきに長し」の銃となってしまった。

 とはいえ、ストーナータイプのいわゆる"変身銃"はその後、変更可能な火器のカテゴリーが絞られ、AUGやG36などの、モジュール構造のライフルで限定的に実現され、[[XM8>HK XM8]]や[[MASADA>マグプル MASADA]]といった、より洗練された最新ライフルにも継承されている。
 
 なお、モジュール構造のシステム・ウェポンは、部品交換で各種小火器に変更可能といっても、一兵士が臨機応変にその場で組替えて、即戦闘可能。といったものでは全くない。部品交換のたび、作動のチェックはもちろん、[[ゼロイン]]などの各調整作業が必須となるためだ。
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