*シグザウアー P220/Sig Sauer P220 [#uadb384a]
#ref(p220.jpg,center)
|全長|重量|口径|総弾数|製造国|h
|198mm|810g|[[9mmx19&br;9mmx23SR&br;.45ACP>口径]]|9+1|ドイツ|
#ref(p220.jpg,center,nolink,シグザウアー P220)
|モデル|全長|重量|口径|総弾数|製造国|h
|~P220|198mm|810g|[[9mmx19&br;9mmx23SR>口径]]|9+1|ドイツ|
|~P220-1&br;P220SAO|198mm|830g|[[.45ACP>口径]]|7+1|ドイツ|

 [[シグ]]社とその傘下のザウアー&ゾーン社が1976年に共同開発した軍/警察機構向けの自動拳銃。
 シグザウアー社は既に[[P210>シグ P210]]と云う優れた銃を持っていたが、作りが精巧ゆえに量産が効かず、値段が非常に高いため売れ行きはいまひとつだった。そこでP210をベースに改造を施し、プレス加工を用いて生産効率を高めた銃がこのP220である。それでも決して安い銃と云えなかったP220だが、無理すれば手の届く値段になった事とP210同様、優れた性能を持っていたために性能嗜好のユーザーに受け入れられ、シグザウアーの名を世に知らしめた。
 [[シグ]]社がスイス軍の依頼により1975年に開発した、軍・法執行機関向けの[[自動拳銃]]。
 もともとスイス軍は[[P210>シグ P210]]という優れた自動拳銃を「P49」の名で制式化していたが、作りが精巧ゆえに量産が利かず、非常に高価だった。このため、軍事費削減を図っていた当時のスイス軍はより安価な制式[[拳銃]]を必要としていた。
 依頼を受けたシグ社は、P210をベースとして[[プレス加工]]などを用いて試作を行ったが、精度が低下する一方で、コストを抑えるのには限界が生じた。そこで、設計を全く新たなものとして開発したのが、この「P220」である。
 高価ゆえに民間での売上の芳しくなかったP210にかわって世に出たP220だったが、それでも決して安い銃とは云えなかった。しかし、無理すれば手の届く値段になった事と、P210同様の優れた性能を持っていたために性能嗜好のユーザーに受け入れられ、スイス軍も「P75」の名で採用し、その名を世に知らしめることとなった。

 現在、アメリカ市場向けの口径45ACPモデル(P220-1)のみ生産され、口径9mmパラのヨーロピアンモデルは生産されていない。口径9mmパラのヨーロピアンモデルは初期のものはスライド先端が絞り込まれているデザインだったが、後にスライド先端の絞り込みがなくなり他のP220シリーズのように平らになった。
 また、マガジンキャッチの位置や形状にも違いがある。現行の仕様である上記写真のP220のマガジンキャッチは、利き手の親指(普通はグリップの左側面に設置されている)で簡単に操作できるようになっているが、それ以前のモデルはマガジンの底部を爪のような部品で固定する仕様(後述する自衛隊の正式モデルがこれに該当する)であり、素早いマガジンの交換は出来ないが、脱落しにくく、確実にマガジンを保持できるという長所を持つ。
 
 P220は現在、スイス軍の制式採用拳銃であると同時にスイス連邦警察の正式でもある。
 また、忘れてはいけない[[自衛隊]]の制式採用拳銃であり、1982年に[[M1911>コルト ガバメント]]の後継となる制式採用拳銃として採用(制式名称9mmけん銃)された。採用してから20年以上が経過しており、本来なら次期制式採用拳銃を選定するべき時期だが、今もなお使い続けており、現在はミネベア社でライセンス生産されたモデルが使用されている。
 元は尉官以上の幹部が持つ護身用の武器であり、一般的な隊員の携帯は認められていなかったが、最近では、階級に関係なく携行する事例が多くなっており、小倉の駐屯地にある市街地戦訓練施設での市街地戦闘訓練やゲリラ掃討訓練では、隊員の基本装備のひとつとして携行することが多くなってきたようであるし、イラクへの復興支援部隊では、アメリカ兵が使っているような太腿に装備するサイホルスターにこのP220を入れている姿がニュースや新聞記事で確認することが出来る(ホルスターそのものは隊員が自費購入したか、部隊単位で導入したもの)。
 また、警視庁を筆頭とする各都道府県警のSIT(捜査一課・特殊捜査班)は、突入時の装備としてこれまでは38口径のリボルバーを使用してきたが、即応性と威力の両立から、このP220の使用を本格的に検討し始めたようだ。
 P220は、手動のセイフティを持たず((後年に登場した「P220SAO」は別。シングルアクショントリガーで、サムセイフティを有し、[[コック>コッキング]]&ロックが可能))、[[デコック>デコッキング]]のみを行うデコッキングレバーを備え、排莢口にチャンバー部をかみ合わせてスライドとバレルをロックする独自のロックブリーチ・ショートリコイルを採用している。これらは、当時としては画期的なもので、後のさまざまな自動拳銃に影響を与えている。
 マイナーチェンジも数度行われており、プレス成型で製造されていたスライドは、90年代以降にステンレス[[削り出し>削り出し加工]]となり、製法の変化に合わせてデザインも改められた。マガジンキャッチの位置や形状も変化し、マガジンの底部に位置していたマグ・キャッチ((後述の9mmけん銃がこれと同仕様。コンチネンタルタイプと呼ばれ、素早いマガジンの交換は出来ないが、脱落しにくく、確実にマガジンを保持できる長所を持つ。))は、グリップの左側面に再配置され、親指で簡単に操作できるようになった。

 また、P220は日本の[[自衛隊]]の制式拳銃でもある。1982年に[[M1911>コルト ガバメント]]の後継として「9mmけん銃」の制式名で採用されて以来、日本のミネベア社でライセンス生産され、採用から20年以上が経た現在も継続して使用されている。元は尉官以上の幹部の護身用だったが、現在では階級に関係なく携行されるようになり、隊員の基本装備のひとつとなっているようだ。ただ、もともと.45ACPモデルも前提とした大きめのグリップ・サイズであったため、シングルカラムでありながら、日本人の手には大きく使いにくいという。

 現在、民間用P220は、アメリカ市場向けの.45ACPモデル(P220-1)のみ生産され、9mm口径のヨーロピアンモデルは生産されていない。アメリカに輸入された当初は、ブローニングアームズが代理店であったため『BDA(''B''rowning ''D''ouble Action ''A''utomatic)』と銘打たれて販売されたが、当時のアメリカ市場ではほとんど受け入れられなかったようだ((ドラマ『[[マイアミ バイス]]』の放送前プロモーションや第1話では『主役』だったものの、周知の通りすぐに[[ブレンテン>DD ブレンテン]]に交代してしまった。))。
 しかし現在では市場も大きく変化し、M1911系に圧されつつも、新たに[[シングルアクション]]オンリーモデルのP220SAOを発表するなど、根強いファン層の存在が窺い知れる。アメリカのIDPAマッチで愛用しているシューターもあり、M1911を破って第1位を獲得したこともある。
 現在ではアルミフレームモデルの他、ステンレスモデルもラインナップされ、オプションで[[ピカティニーレール]]付きのフレーム(上掲画像のモデル)も用意されるなど、独自の発展を続けている。

 なお、SIG/SAUERの名は、スイス国内の銃器輸出規制を回避するため、ドイツにあるシグ社傘下の企業「ザウアー&ゾーン」にP220シリーズの製造が委託された経緯によるものである。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|BLACK CAT|アニメ|ザギーネ|14話、回想シーン|
|LAWMAN|漫画|入江 省三|[[レーザーサイト]]付|
|SIREN2|ゲーム|一樹 守&br;木船 郁子&br;永井 頼人&br;三沢 岳明&br;藤田 茂&br;矢倉市子&br;喜代田章子&br;屍人&br;闇人|自衛隊モデル|
|[[THE WAVE]]|−|−|項目参照|
|アウターゾーン|漫画|J ブリーチ|単行本8巻|
|アウターゾーン|漫画|J ブリーチ|単行本8巻|
|アウトバーン0号作戦|小説|ホロウィツ|.45ACPモデル|
|ガメラ2 〜レギオン襲来〜|映画|渡良瀬 裕介 二等陸佐|−|
|ガングレイヴ|アニメ|ブランドン ヒート|二挺拳銃|
|ガンパレードマーチ 九州撤退戦(上)|小説|黒服の男|45口径 装弾数7|
|ガンパレードマーチ 九州撤退戦(上)|小説|黒服の男|.45口径 装弾数7|
|[[機動警察パトレイバー]]|−|−|項目参照|
|[[攻殻機動隊]]|−|−|項目参照|
|[[ゴルゴ13]]|−|−|項目参照|
|最終兵器彼女|漫画|テツ二尉|自衛隊モデル|
|最果てのイマ|ゲーム|伊月 笛子|−|
|[[サイレン2>サイレン]]|−|−|項目参照|
|[[ジーザス]]|−|−|項目参照|
|[[ジオ ブリーダーズ]]|−|−|項目参照|
|西武新宿線戦線異常なし|漫画|丸輪 零|−|
|[[戦国自衛隊]]|ー|ー|項目参照|
|[[戦国自衛隊]]|−|−|項目参照|
|空から降る一億の星|ドラマ|片瀬 涼|−|
|ダーティホワイトボーイズ|小説|ラマー パイ|45ACP&br;警官から奪う|
|ダーティホワイトボーイズ|小説|ラマー パイ|.45ACP&br;警官から奪う|
|[[ダイナマイト刑事(PS2版)>ダイナマイト刑事]]|−|−|項目参照|
|[[太陽にほえろ!]]|ドラマ|−|項目参照|
|太陽の黙示録|漫画|勝呂 奉一&br;北日本陸上自衛隊隊員&br;境 玄吾|−|
|[[デビル17]]|−|−|項目参照|
|電撃 -DENGEKI-|映画|オーリン ボイド&br;ラトレル ウォーカー|[[ガスコンペインセンター>コンペンセイター]],45ACPモデル&br;オールシルバーのスポーツモデルP220S|
|電撃 -DENGEKI-|映画|オーリン ボイド&br;ラトレル ウォーカー|[[ガスコンペインセンター>コンペンセイター]]、.45ACPモデル&br;オールシルバーのスポーツモデルP220S|
|トーキョー ウォーズ&br;(レイド オン トーキョー)|漫画|佐藤 大輔|自衛隊モデル|
|ドラゴンヘッド|漫画|仁村&br;瀬戸 憧子|−|
|南国ドミニオン|ゲーム|アロハ|ゲーム中名称 拳銃|
|バキ|漫画|ガイア|地下闘技場でシコルスキーに対して使用|
|パープルストーム -紫雨風暴-|映画|グン アイ&br;ソン&br;トッド|後半で[[サプレッサー>減音器]]付きを使用&br;回想シーンにて&br;〃|
|[[パラサイト イヴ]]|−|−|項目参照|
|ハルノクニ|漫画|榊秀輝|単行本4巻|
|[[ヒート]]|−|−|項目参照|
|[[ヒットマン コントラクト>ヒットマン(アイドス インタラクティブ)]]|−|−|項目参照|
|[[ブラック ラグーン]]|−|−|項目参照|
|[[ブロークン アロー]]|−|−|項目参照|
|[[亡国のイージス]]|−|−|項目参照|
|[[マイアミ バイス]]|−|−|項目参照|
|まぶらほ|小説|ディステル|−|
|名探偵コナン|漫画|ジョディ スターリング|[[消音機>減音器]]付、スプリンクラー破壊に使用|
|[[ヤングガン カルナバル]]|−|−|項目参照|
|[[ルパン三世]]|−|−|項目参照|
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