*シグ SG510 / SIG SG510 【自動小銃】
#ref(stgw57.jpeg,center,nolink,Sturmgewehr 57)
|全長|重量|口径|装弾数|連射速度|発射形式|製造国|h
|1,105mm|5.9kg|7.5x55mm (GP11)|24|450〜650発/分|S/F|スイス|

 1957年にスイス軍が「Stgw.57(Sturmgewehr 57;ドイツ語)」もしくは「Fusil d' Assaut 57(フランス語)」の名称で制式採用した[[自動小銃]]。近年の基準からすると[[バトルライフル]]に分類されるが、[[G3>HK G3]]や[[FAL>FN FAL]]と並ぶ戦後第一世代の[[突撃銃]]である。後継の[[SG550>シグ SG550]]が登場する1982年ほどまで第1線で使用され退役したが、現在でも、550が行き渡っていない一部部隊で使用されている。また、510を装備していた当時に兵役を終了した家庭には、本銃が有事に備えて保管されている。
 本銃は7.5mm GP11(7.5×55mm)というスイス独自の弾薬を採用している。この弾薬は7.62mm NATOよりも強力なフルサイズの弾薬である。
 その[[フルオート]]射撃と[[小銃擲弾>擲弾発射器]]の強力な反動を抑制するため、SG510は自重をかなり重めとした。そのため、キャリングハンドルや[[プレス>プレス加工]]スチールのバレルジャケット、[[バイポッド]]など豪勢な装備が設えられ、歩兵用ライフルというより個人用[[軽機関銃]]に近い代物となった。さらに[[ストック]]はリコイルバッファとして、ストック長の半分以上がゴム製とされた。軽量短小化が歩兵用ライフルの趨勢にあって、防御戦術が主体となろう永世中立国スイスならではのユニークな選択だったといえる。しかしそれでも、本銃のフルオート射撃を制御するのは困難だったようで、実際の使用は[[セミオート]]を基本とされた((http://www.youtube.com/watch?v=QsXw0WCfkb0))。

 機構はG3に酷似した、ローラー閉鎖式による[[ディレード・ブローバック>ブローバック]]で、プレス製ながら頑健なレシーバーを有し、[[シグ]]社製らしくかなり精度の高い作りだった。
 照準距離が100〜650mの間で調整可能な、精密射撃向けの[[アパーチャーサイト>オープンサイト]]を備えたが、跳ね上がり抑制のためストレートストックを採用したことから、従来の高さのサイトでは照準が困難なため、照準線の高いものとなっている。これに伴い折損のリスクを抑えるため、可倒式とされた。

 他にもユニークな機能として、冬季戦用の補助トリガーがあげられる。これは通常時は前方に折り畳まれているが、引き起こすと従来のトリガーと平行に、その2倍ほどの長さとなってセットされる。これにより冬季戦用の防寒ミトンをつけたままでも射撃できるようにしている。さらに長いトリガーはテコの原理で[[トリガープル]]が軽くなるので、遠距離の精密射撃をする上でも重宝されたという。
 オプションとして[[銃剣]]、ケルン社製4倍光学[[スコープ]]、小銃擲弾用の空包を収めた小容量のマガジンが付属していた。
 
 スペックだけ見るとかなり使いにくそうな銃だが、贅沢な作りからなる頑丈さが評価されたからか、現場での評判はおおむね良好だったという。深さ30mもの渓谷から落としても、背の高いサイトが曲がっただけで、その他の機能にはまったく障害がなかったとか、銃身が赤熱化するまで射ち続けた後、水に浸けて冷やしたら、またすぐに射撃ができたというような、[[AK小銃>USSR AK47]]に匹敵するような逸話もあった。また、こうした豪奢なつくりとスイスの高い人件費もあって、1挺あたりの平均価格が3,500ドルと、後継のSG550と同様、やはり当時でも最も高価な小銃の一つであった。
 
 本銃は当初から輸出を想定しており、民間モデルとして[[セミオート]]オンリーの「PE57」が生産された他、「SG510」のコマーシャルネームで各種輸出モデルが作られている。
 まず、口径を7.62mm NATO弾に変更した「SG510-1」が作られた。しかし、発射反動も強く、マガジン抜きでも5.9kgという大重量の本銃をそのまま採用する奇特な組織があるはずもなく、バレルジャケット、バイポット、キャリングハンドルを省略して軽量化した「SG510-2」が作られた。他にフィンランド軍のトライアル向けに、口径を[[AK-47>USSR AK47]]同様の[[7.62×39mm>7.62mm x39弾]]に変更し、短銃身化でよりコンパクトとなった「SG510-3」も試作された。SG510-3以降のモデルでは、ストックとフォアエンドが木製に変更されている。
 が、これらはいずれも採用には至らず、商業的にも失敗した。しかし、可倒式サイトを止めて固定サイトとし、再び7.62mm NATO弾仕様とした「SG510-4」は、チリとボリビアにて軍に制式採用されている。SG510-4は生産能力の観点から、製造のほとんどがシグ社ではなくイタリアの[[ベレッタ]]社で行われた。なお、このSG510-4をもとに、アメリカ市場を意識して競技向けに改修された、.308win仕様の「SIG AMT (American Match Target)」が作られている。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[女王陛下の007>007]]|−|−|項目参照|
|[[イノセンス>攻殻機動隊]]|−|−|項目参照|
|[[偽典・女神転生>女神転生]]|−|−|項目参照|
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