全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
213mm | 1093g | 10mmAuto | 9+1 | アメリカ |
強力な10mmAuto弾を使用する、グリップの赤三角のメダリオンが特徴的なコルト社製の自動拳銃。その名の如く、アメリカの対テロ作戦における最精鋭部隊であるデルタフォースをターゲットにして1987年に開発された。
基本的なシステムや操作方法はM1911A1と大差はないが、スライド上面にリブが追加されていたり、ハンマーがラウンドハンマーに交換されているなど、細かい改良が加えられている。また10mmAutoの反動を受け止めるためか、あるいは生産の合理化のため、ラバーグリップが標準装備されている。
ただ、スプリングやスライドなどが10mmAuto弾のプレッシャーに対応しきれていないせいで、ベレッタ M92の様にスライドが破損したり、オートマグの様にジャムが頻発したため、発売後の評価はさほど良くなかった(ただし、カスタム用のアフターマーケット・パーツなどはそれなりに流通している模様で、チューンナップによって使い勝手は相当改善できるようだ)。
結局は、.45ACPへの固執とM1911A1という伝統にしがみ付き、時代の流れから取り残されることになるコルト社の変遷の1ページを飾る銃であり、銃そのものの知名度も高いとは言えない。10mmAuto弾という弾薬も、現在はより扱いやすい.40S&Wに押され、知名度が低くなっていることは間違いない。
なおデルタエリートの後にも、スプリングフィールド・オメガ、STI・EDGE(エッジ)、AMT・ジャベリナなど、やはりM1911系をベースにした10mm口径の銃が数種登場したものの、10mmAutoの衰退とともに多くが絶版となっている。
2009年3月現在の情報では、コルト社は本銃の再生産を決定しており、幾つかの仕様変更を加えているものの、基本的な形態は変化させていないようである。
また、10mmAuto仕様の銃そのものも、アラスカ州警察やノルウェーの国境警備隊が野生動物(特にヘラジカやホッキョクグマ)対策の一環として採用を決定し、一時的であっても復活の兆しを見せている。
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