#author("2021-01-24T09:51:02+09:00","default:user","user")
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*コッキングハンドル(棹桿) / Cocking handle [#b3d852e5]
 ボルト(遊底)を操作するための部品。''槓桿(こうかん)''、''コッキングレバー''、''チャージングハンドル''、''ボルトハンドル''などとも呼ばれる。
 銃に弾を装填(チャージング)し、同時に[[コッキング]]と排莢を行う。
 ボルトが銃内部に組み込まれている銃において備えられる。
 後進操作によってボルトを後退させ、薬室の解放と(発砲後であれば)排莢を行う。続く前進操作によってボルトが新たな弾薬を押し出し、薬室に装填(チャージング)する。[[コッキング]]も一連の操作の前後いずれかのタイミングで同時に行われる。

 [[ボルトアクション]]銃の時代からボルトにハンドルが直付けされたものが基本だが、自動銃ではボルト重量が増えることで反動が増大するため、ボルトとコッキングハンドルが独立したものもある。
 独立式はボルトの押し込みを人力で行えないため、不完全閉鎖時に強引に閉鎖することが出来ないデメリットがある。ハンドル独立式の[[M16>コルト AR15]]はA1以降[[陸軍>アメリカ陸軍]]の要請で「ボルトフォワードアシスト(ボルト前進補助装置)」が取り付けられており、独立式ながらボルトの人力閉鎖が可能である。
 ただし、フォワードアシストは「何らかの原因で不完全閉鎖を起こした銃を強引に射撃可能状態にしている」ものであるため、機械的に更なる負荷を強いることで銃の破損状態を悪化させる可能性がある。このため、M16の設計者である[[ユージン・ストーナー]]らはフォワードアシストの導入に反対していた。
 [[ボルトアクション]]式ではボルトにハンドルが直付けされたものが基本だが、自動式では、ボルトの前進はリターンスプリング頼りとして、ハンドルを独立させ後退操作のみとするものもある。
 ハンドル独立式は、発砲時に高速で前後動するボルトから伸びたハンドルによって射手が負傷するのを避けるための設計である。ただし、これだと不完全閉鎖時にボルトを手動で前進させることが出来ないことから、ハンドルとは別途ボルトを手動で前進させるための機構=ボルトフォワードアシストが搭載されているものもある。[[M16>コルト AR15]]のA1以降装備されたボルトフォワードアシストノブはチャージングハンドルとは独立したノブを押し込むことでボルトの閉鎖を行う。また[[AUG>ステアー AUG]]は射手が任意にボルトとハンドルを直結し手動で前進させる仕組みとなっている。
 しかしこのフォワードアシストは「不調になった銃を強引に射撃可能状態にしている」ものであるため、機械的に更なる負荷を強いることで銃の破損状態を悪化させる可能性がある(このため、M16開発者の[[ユージン・ストーナー]]らは、米陸軍のフォワードアシスト導入要求に反対していた)。

 コッキングハンドルはボルトアクション銃ではボルト後端に取り付けられており、右手でサイクルを行いやすくなっているものが殆どである。
 自動銃では様々で、シンプルに右側の排莢口から出ているもの([[AKシリーズ>USSR AK47]]、[[L85>エンフィールド L85]]等)、左右から操作しやすい上側([[64式小銃>豊和工業 64式小銃]]、[[FAMAS>GIAT ファマス]]等)や[[ストック>銃床]]付け根付近([[M16/AR15シリーズ>コルト AR15]])、フォアハンドの左手で操作しやすい排莢口反対側([[ガリルACE>IMI ガリル]]等)やハンドガード付近([[HK G3]]等)と存在している。
 [[ポンプアクション]]式の銃ではスライドするフォアエンドがコッキングハンドルの役割を果たしている。

 ハンドルはボルトアクションではボルト後端に取り付けられ、右手で操作する仕様が一般的である。
 自動式では様々で、右手での操作を前提としたレシーバー右側面([[AKシリーズ>USSR AK47]]、[[L85>エンフィールド L85]]等)、左右からいずれからも操作可能なレシーバー上側([[64式小銃>豊和工業 64式小銃]]、[[FAMAS>GIAT ファマス]]等)やレシーバー後端([[M16/AR15シリーズ>コルト AR15]])、フォアハンドの左手で操作するレシーバー左側面([[FAL>FN FAL]]等)や[[ハンドガード]]付近([[G3シリーズ>HK G3]]等)となっている。
 [[ポンプアクション]]式の銃ではスライドするフォアエンド、[[レバーアクション]]式の銃では[[トリガーガード]]と一体となったループレバーがコッキングハンドルの役割を果たしている。

 FPSゲームでは、本来ハンドルが右にある銃を、外観ごとそっくり左右反転させているモデルを使用するケースがある。これは(単純に考証ミスの場合もあるが)プレイヤーの銃が画面に大きく表示される都合上、コッキング等の動作を見やすくすることで画面映えを良くしたり、右ハンドルではアニメーションが複雑になりがちなコッキング動作を簡略化もしくは共通化する目的がある。
 
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