ガスオペレーション/Gas-operation

 自動小銃などで採用されている自動装填機構のひとつ。
 発砲の際に弾薬から生じる高圧ガスの一部を利用して、チャンバーの開放と薬莢の排出を行い、次弾を装填する方式。バレル内の穴などから発射ガスの一部を導き、バレルと平行に配されたバイパスを通じて、発砲のエネルギーの一部をボルトへと送り込んでこれを後退させるのである。

 ブローバック方式のように発砲の反動を利用する場合、強力な弾丸であればあるほど、ボルト(或いはスライド)の後退スピードは増す。破損する危険も当然増すので、反動のショックやスピードを抑えるためにボルト/スライドを閉鎖するスプリングをより強いものとする必要がある。だが、あまり強いスプリングでは、初弾を送るさいにボルト/スライドを手動で引くことが困難となる。
 しかし、ガスオペレーションの手法なら、構造はブローバックよりやや複雑となるが、ボルト/スライドの開放に必要なエネルギーのみを取り出すことが出来るので、むやみにスプリングなどを強くする必要はなくなる。
 こうした利点から、自動小銃や一部の拳銃など比較的強力な弾丸を使用する銃にガスオペレーションは採用されているのである。

 ガスオペレーションには、ショートストローク、ロングストローク、ガストラップといったピストンを介する方式と、ガス直噴式(リュングマン方式?)の四つが存在し、中でもショートストローク-ガスピストン方式はM14AK47などに採用されている最も一般的な方式である。ピストンを介さないM16などに採用されているガス直噴式のものは、(銃そのものの数はともかく)少数派である。
 ロングストロークとガストラップは、いずれもM1ガーランドが採用していた方式で、とくに後者のガストラップは開発段階のM1ガーランドが採用していたものである。銃口付近にトラップを設け、マズルブラストを利用してガスピストンを動作させる仕組みだったが、ものにならず、結局ロングストローク-ガスピストン方式に落ち着いたという経緯がある。

 ちなみにショートストローク、ロングストロークというのは、ガスがピストンへ到達するまでの距離を指すもので、ピストン自体の動作距離を指すものではない。
 


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • だとしたら、AK105やAKS74Uは架空銃ということに。 -- 2012-09-18 (火) 13:43:21
  • ガスがピストンヘッドに到達するまでの距離はショート/ロングとは関係ないから、確かに最後の文はよく分からんな。名前の由来はピストンの後退量であながち間違ってないんじゃない? -- 2012-10-12 (金) 11:11:09
  • 銃身を短くすると自ずとガス圧を得辛くなるため、回転が悪くなることはあるようです。AKS74Uなんかはハイダーにガス室設けて作動性を確保しているようですね。当然ですが、ハイダーを外しても作動不良の確率が上がるだけで撃てなくなるわけではありません -- 2012-10-14 (日) 00:40:05
  • 最後の一文が意味不明だったので消しました。 -- 2012-10-22 (月) 02:38:47
  • 前から疑問だったんだけどガス圧で作動させてるってことは、あたり一面が燃えてる所で撃つと危険ってこと? -- 2016-03-18 (金) 14:50:35
  • ガス圧っていっても別に可燃性ガスを使ってるって意味じゃないぞ。 -- 2016-03-18 (金) 15:32:05
  • なるほど。というか、そりゃそうですよね。 -- 2016-03-18 (金) 16:13:16
  • 「ガス」=「火薬が燃えたときに出る気体」って事だからね。 -- 2016-03-18 (金) 18:33:46
  • 上銃身下ピストンの銃とその逆と、どっちが反動大きくなる? -- 2017-04-29 (土) 20:40:31
  • 反動自体の大きさには関係ない。どちらでも同じ。反動に対する耐えやすさは曲銃床であれば下の方が耐えやすい(銃口を上下どちらかから引っ張るのを考えてみればよい)。 -- 2017-04-29 (土) 22:28:25
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