*ウルトラヴァイオレット / Ultraviolet [#la2e4454]
RIGHT:2006年、アメリカ映画
RIGHT:監督:カート ウィマー
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#ref(virus labo.jpg,center,nolink,ウイルス兵器研究所)

&size(20){''・ストーリー''};
 21世紀末の近未来。アメリカ政府が発見した新種のウイルスは瞬く間に広まり、世界を変えてしまった。
感染した超人間《ファージ》は、体力・知力ともに驚異的な能力を備えている反面、感染後12年で命を落とす運命を背負うことになった。
この驚異的なパワーを秘めたファージに恐れを抱いた人間政府は、彼らの抹殺を企てる。
 一方、生き残ったファージも反政府組織を結成、ファージと人間政府の激しい戦い《血の戦争 -the Blood Wars- 》が勃発した。
その戦争の最中、政府は彼らを一瞬で絶滅させる最終兵器を開発する。対してファージ側は、その兵器を奪取すべく最強の殺し屋を送り込んだ。
 彼女の名は''ヴァイオレット ソン ジャート シャリフ(Violet Song Jat Shariff)''((名字である「シャリフ」とは、おそらくアラビア文字の「Sharif」の変化形からきている。イスラムの伝承によると、「Sharif」とは預言者マホメットの直接の血筋子孫のことを指す。ミドルネームの「ジャート」とはシーク教徒やヒンドゥー教徒系の名字が由来で、「ソン」は中国系の名字が由来とされている。))。
ウイルス感染をきっかけに、最愛の夫と子供を政府に奪われた彼女の生きる目的は、もはや復讐しかなかった――。

#ref(uv68.jpg,center,nolink,ハイパーソード)

&size(20){''・作品解説''};
 本作((タイトル名の"ウルトラヴァイオレット"とは「紫外線」という意味だが、元々の「紫を超えた」という意味の方が作品のテーマに適していることだろう。後者の意味は、感情によって変化するヴァイオレットの髪の色を暗示していると思われる("violet"とはスミレ色という意味)。))の監督は、『[[リベリオン -反逆者-]]』でガンアクションの新機軸「[[ガン=カタ]]」を生み出したカート ウィマー。主演は『[[バイオハザード(映画)>バイオハザード]]』で、ヒロインを演じたミラ ジョヴォヴィッチ。映画の特徴として、ウィマー監督の前監督作品や、ミラの出演作品との類似点(オマージュ?)が少なからず挙げられる。

#ref(ultraviolet6.jpg,center,nolink,バイオハザードロゴ)

 ''・ヴァイオレットが使用する銃のマズルフラッシュの形状が、バイオハザードロゴ((某ゾンビゲームのことではない))になっている''
  (『[[リベリオン -反逆者-]]』では、[[クラリックガン>ベレッタ M92]]のマズルフラッシュは"十字型"である) 
 ''・主人公の主武装がカスタム仕様であったり、銃本体に近接格闘用兵装が内蔵されている''
 ''・人間政府の兵士等の衣装は、『リベリオン -反逆者-』のリブリア政府の兵士の衣装に酷似''
  (『リベリオン -反逆者-』の衣装デザイナーであるジョセフ A ポロが、本作でも衣装デザインを担当しているため)
 ''・[[二挺拳銃]]の使い手、一人対多人数の戦闘、管理社会への反抗……といったキーワードは『リベリオン -反逆者-』、''
 '' 「ウイルス」「血液」「感染」……といったキーワードは『[[バイオハザード]]』と、それぞれの作品に共通する特徴がある''

#ref(Ultraviolet_by_Kuren2.jpg,right,around,nolink,opening illust)

&size(20){''・格闘戦重視のアクション''};
 本作のアクションは、東洋武術の型を参考にしていながら、あくまで銃を主体としている『リベリオン -反逆者-』の[[ガン=カタ]]とは異なっている。
戦闘の主体は銃ではなく、(新体操の優雅な動きを取り入れた)剣術や蹴り技、そして昨今の格闘術のトレンドになりつつある[[CQC]]……といったように、格闘戦を重視している。
 基本戦闘スタイルは「殺られる前に殺れ」の原則に則り、達人の境地に達したヴァイオレットは、接近戦では無敵を誇ることになる。それは、たとえ相手が銃を装備していても一気に間合いを詰めて攻撃手段を封じ、即座に自身の攻撃を敵対者に叩き込めることを意味する。
 ハイパーソードを使った猛烈な剣戟や、舞う様に急所を突く蹴り、ヒューマンシールドで動揺を誘いつつ反撃……ヴァイオレットの間合いに入った者には確実な「死」が約束されるのだ。

&size(20){''・次元圧縮テクノロジー''};
 ヴァイオレットの服装は、一見すると武器を携帯するスペースが無いように思われる。しかし、次元圧縮テクノロジーを応用したブレスレットが、「小さな武器庫」の役割を果たしている。具体的には、物質を素粒子化し、その組織を分解・合成し、瞬時に武器の出し入れが出来るというもの(または、武器をデジタルデータ化して格納している、という説もある)。
 同じく、ヴァイオレットが使用する[[スクウェアガン>グロック 18]]と[[ガンブレード>AAI M10]]にも上記のテクノロジーが応用されており、かなりの弾丸の装填を可能にしている。
 ウィマー監督の前監督作品『リベリオン -反逆者-』では、[[スリーブガン]]ギミックや独特の装弾ギミック(演出)が見られたので、それらのシーンが無い本作は銃好きな人にとって複雑な心境かもしれない。だが、止まる事を知らぬ[[ガン=カタ]]は、まさに"舞いを舞っているような"銃撃戦を上手く演出していると言える。 

 銃主体のGUN=KATAを期待していた人には物足りなさを感じるかもしれないが、しなやかな体躯から繰り出されるアクロバティックなアクションは、見る者を圧倒することだろう。
 ガンファイトに関しては、[[ガン=カタ]]項目の「ウルトラヴァイオレットでのGUN=KATA」を参照のこと。

***ファージ
|使用者|銃器名|備考|h
|ヴァイオレット ソン ジャート シャリフ|[[G18 スクウェアガン>グロック 18]]|箱型スタビライザー装着&br;[[二挺拳銃]]時もあり|
|~|[[M10 ガンブレード>AAI M10]]|曲線型デザイン&br;グリップ内にブレード内蔵&br;[[二挺撃ち>二挺拳銃]]時もあり&br;統合省での戦闘で使用|
|~|[[コルト M4A1>コルト M4]]|研究所で戦闘員から強奪&br;(二つに分解し、打撃武器として使用)&br;発砲無し|
|~|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|自殺用(発砲無し)|
|~|[[シグ SG552]]|統合省で兵士から強奪|
|~|小型火炎放射器|ダクサスから拝借|
|ナーヴァ|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|手下から借用|
|ナーヴァの手下|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|−|
|~|[[シグ SG552]]|ニードルタワーで使用|
|ファージの強襲部隊|[[HK G36C>HK G36]]|ストックレス&br;血液バンクの襲撃時に使用|
***政府関係者
|使用者|銃器名|備考|h
|フェルディナンド ダクサス|[[ベレッタ M93R 1st>ベレッタ M93R]]|衛生用アルミパック包装時もあり&br;ファージ(ウィマー監督)射殺シーンと&br;"1対700"の戦闘で使用|
|~|小型火炎放射器|ラストバトルで使用|
|政府(統合省)の兵士|[[シグ SG552]]|全編通して使用|
|~|[[HK G36C>HK G36]]|~|
|~|[[GE M134]]|ガバメントカスタム&br;ヘリ搭載型&br;チェイスシーンで使用|
|ウイルス研究所の警備隊長|[[HK G36C>HK G36]]|公園のシーンで登場(発砲無し)|
|ウイルス研究所の警備兵|[[シグ SG552]]|ホワイトカラーモデル(発砲無し)|
|ウイルス研究所の戦闘員|[[コルト M4A1>コルト M4]]|ガバメントカスタム|
|血液バンクの警備員|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|感染した同僚の射殺に使用|
|警察官|[[コルト パイソン]]|4インチのシルバーモデル&br;ノンフルートシリンダー&br;回想シーンで登場|
|~|[[ベネリ M3]]|チェイスシーンで使用|
***ブラッド シノワ
|使用者|銃器名|備考|h
|カーウァイ|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|ニードルタワーで使用(発砲無し)|
|ブラッド シノワの構成員|[[ベレッタ M92FS>ベレッタ M92]]|ニードルタワーで使用|
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#ref(many soldier.jpg,center,nolink,1対700)
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*決めゼリフ
(※)以下の記述には一部ネタバレ要素が含まれているので、映画鑑賞後に参照することをお勧めします。
■タイトルロールやトレーラー(予告編)でのヴァイオレットのモノローグ:
''"Hello, my name is Violet...and I was born into a world you may not understand."''
''(私はヴァイオレット…そして私が生まれたのは、あなたの理解を超えた世界)''

 決めゼリフではないが、ウイルス感染に怯える世界、次元圧縮テクノロジーや重力レベラーといったオーバーテクノロジーが存在する近未来観を象徴している効果的なセリフである。

■「1対700」のシーンで、"Give me what I want.(私から奪ったモノを返してもらおうか)"と憤怒するダクサスに向かって:
''"Come and get it."''
''(力ずくで奪い取ってみれば?)''

 ちなみに映画『[[エスケープ フロム L.A.>ニューヨーク1997]]』には、この「1対700」と酷似するシーンがある。(一部分とはいえ)全く同じセリフ、動き、状況…まるでデジャヴを見ているようで興味深い(本作品の「1対700」シーンは、『エスケープ フロム L.A.』へのオマージュだろうか?)。
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