#author("2018-12-22T10:54:44+09:00","default:user","user")
*ウィンチェスター M1 “M1カービン” / Winchester “M1 Carbine” 【自動小銃】[#g2a0dfb6]
#ref(M1.jpg,center,nolink,オートオードナンス M1カービン)
|全長|重量|口径|装弾数|発射形式|製造国|h
|904mm|2.49kg|[[.30 Carbine>口径]]|15/30|S|アメリカ|

 第二次大戦初頭、将校や後方部隊の護身用として[[ウィンチェスター]]社が開発した[[セミオートマチックカービン>自動小銃]]。1941年に[[アメリカ陸軍]]に採用され、1964年まで生産された。その設計コンセプトは後の[[アサルトライフル>突撃銃]]や[[PDW]]にも通じる物があった。
 当時、第一次大戦の戦訓から、機械化部隊による戦闘の高速化によって後方部隊が直接戦闘にさらされるリスクが増加した一方、後方部隊の装備する小火器の貧弱さが問題となった。そこで、主力ライフルの[[M1ガーランド>スプリングフィールド M1]]よりも軽く取り回しやすい、そこそこの火力を有する軽量なライフル(ないし[[カービン>騎兵銃]])の開発がアメリカ陸軍内で提唱された。
 1940年、第二次大戦勃発を契機に計画がスタートし、翌年には[[コルト]]や[[スプリングフィールド]]を含む9社によって試作されたライフルでトライアルが行われたものの、芳しい結果とはならなかった。そんな折、ウィンチェスター社が開発中だった試作ライフルが、陸軍関係者の働きかけによってトライアルに加えられた。ウィンチェスターの.30-06M2試作ライフルは元々主力ライフルを目指して開発されていたものだったが、その高い完成度に当局がほれ込んだのだった。
 結果として、.30-06弾仕様から、新型の軽量ライフル用[[.30カービン弾>口径]]に再設計されたウィンチェスターの試作ライフルがトライアルに勝利し、1941年に"M1カービン"として制式採用された。

 バリエーションとして、金属製フォールディング[[ストック]]を装備したM1A1、[[セミ>セミオート]]/[[フル>フルオート]]切り替え可能なセレクティブファイアモデルM2、M2をベースに[[フォアグリップ]]や[[赤外線暗視装置>暗視装置]]を装備した夜戦仕様のM3が存在する。
 第二次世界大戦中に製造されたほとんどのM1に[[バヨネット>銃剣]]ラグ付バレルバンドは付けられていなかったが、大戦末期には現場の要望でバヨネットラグ付きバレルバンドが製造されるようになった。
 その後も朝鮮戦争やベトナム戦争にも投入されたが、こうしたより広く過酷な戦闘環境では威力・射程の不足が顕著になり、より洗練された軽量弾である[[5.56x45mm弾>5.56mm x45弾]]を用いる銃器へと代替されていった。 

 戦後、余剰化した本銃の多くは[[M1ガーランド>スプリングフィールド M1]]などの他の兵器と共に、Military Assistance Program(軍事援助計画)に基づき、日本の警察予備隊(後の[[自衛隊]])を含む、多くの西側諸国の軍隊に供与された。また、日本の[[豊和工業]]は当時[[自衛隊]]で使用されていたM1カービンのライセンス生産を行っており、M1カービンを狩猟用とした豊和M300(ホーワカービン)を民間に販売もしていた。アメリカでは現在オートオードナンス社が生産を行っている。そのため日本の作品にも登場すことが多い銃である。

 一方で当時まだ発展途上の管理体制が甘い国家にこのような最新の自動火器が多数配布されたことで、犯罪者や武装勢力にこれらの銃火器が渡ってしまうケースも存在した。
 キューバ革命においても革命軍に本銃は使用され、1958年にチェ・ゲバラがM2カービンで武装する写真も撮影されている。
 また民間の事件でもしばしば使用され、アジア圏では1982年に韓国の警官であった禹範坤(ウ・ポムゴン)が、警察署の武器庫からM2カービンと実弾、[[手榴弾]]を持ち出し当時としては大規模な死傷事件を引き起こした。
 日本でも1965年に発生した少年ライフル魔事件で、犯人の少年が立て篭もった鉄砲店で奪った銃のうちの一挺が豊和M300であり、これに30連マガジンを装着して使用した。これを受け、日本では以後ライフルの装弾数を5発までとする法が制定された。


|モデル|解説|h
|~M1|初期型。下士官及び後方部隊などに配備された。約650万挺製造された。|
|~M1A1|空挺部隊向けで1942年より量産開始。インランド社による設計で、ピストルグリップ化し、折り畳める[[ワイヤー銃床>ストック]]を取り付けている。約15万挺製造された。|
|~M1A2|M1A1とは別に他社で提案された。計画のみ。|
|~M1A3|パンタグラフ型という[[折畳銃床>ストック]]を採用したモデル。M1A1の後継として計画されたが量産には至らなかった。|
|~M2|[[セミ>セミオート]]/[[フル>フルオート]]切り替え可能とし、30発の箱型弾倉を用意したモデル。約60万挺製造されたが、第二次世界大戦中に部隊配備されることはなかった。|
|~M3|M2に夜間[[暗視装置]]を装着したモデル。|
#br
|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[0011ナポレオン・ソロ]]|−|−|項目参照|
|[[007]]|−|−|項目参照|
|[[Alliance of Valiant Arms]]|−|−|項目参照|
|[[Battlefield V]]|−|−|項目参照|
|[[BLOOD+>BLOOD]]|−|−|項目参照|
|[[LOST]]|−|−|項目参照|
|[[アート・オブ・ウォー]]|−|−|項目参照|
|愛の戦士レインボーマン|特撮|死ね死ね団員|−|
|[[硫黄島からの手紙]]|−|−|項目参照|
|[[インディ・ジョーンズ]]|−|−|項目参照|
|ヴァーンスの死闘&br;黒の襲撃者|小説|オディ・ヴァーンス|−|
|宇宙大怪獣ドゴラ|映画|防衛隊員|発砲なし|
|[[ウインドトーカーズ]]|−|−|項目参照|
|[[ウォーキング・デッド]]|−|−|項目参照|
|ウルトラマン|特撮|防衛軍兵士|第2話|
|ウルトラセブン|特撮|第4惑星警官|第43話『第四惑星の悪夢』&br;[[スリング]]付|
|ウルトラマンA|特撮|TAC基地警備員|−|
|[[ウルヴァリン:X-MEN ZERO]]|−|−|項目参照|
|[[エル・マリアッチシリーズ]]|−|−|項目参照|
|エンパイアアース|ゲーム|海兵隊員|M2|
|[[オペレーションG.G.]]|−|−|項目参照|
|快傑ズバット|特撮|ダッカー団員|−|
|~|~|ブラックスター&br;紅蜘蛛|手下の物を使用|
|~|~|早川健|団員の物を奪う&br;鈍器として使用|
|~|~|夜叉丸|−|
|神様、キサマを殺したい。|漫画|六郷トメ吉|回想シーン&br;アメリカ軍兵士から奪った物|
|[[ガメラ]]|−|−|項目参照|
|[[キャプテン・アメリカ]]|−|−|項目参照|
|[[キングコング]]|−|−|項目参照|
|[[狂い咲きサンダーロード]]|−|−|項目参照|
|[[クレイジーズ]]|−|−|項目参照|
|[[コール オブ デューティ]]|−|−|項目参照|
|[[コール オブ デューティ2]]|−|−|項目参照|
|[[コール オブ デューティ2: ビッグ レッド ワン]]|−|−|項目参照|
|[[コール オブ デューティ: ワールド アット ウォー]]|−|−|項目参照|
|[[コール オブ デューティ ワールドウォーII]]|−|−|項目参照|
|[[ゴジラ]]|−|−|項目参照|
|ゴッドサイダー|漫画|アメリカ陸軍兵士|ノルマンディ上陸作戦時&br;M2&br;[[スリング]]付|
|ゴッドファーザー PART II|映画|コルレオーネ家構成員&br;MP|−|
|こみっくパーティー|漫画|牧村 南|アイヴァージョンソン エンフォーサーピストル&br;[[水鉄砲>遊戯銃]]|
|[[コヨーテ ラグタイム ショー]]|−|−|項目参照|
|[[ゴルゴ13]]|−|−|項目参照|
|コンバット!|TVドラマ|ヘンリー少尉|−|
|[[紺碧の艦隊>荒巻義雄 艦隊シリーズ]]|−|−|項目参照|
|[[ザ・パシフィック]]|−|−|項目参照|
|[[ザ・ユニット 米軍極秘部隊]]|−|−|項目参照|
|猿の軍団|特撮|ゲバーの部下|−|
|[[猿の惑星]]|−|−|項目参照|
|[[地獄の黙示録]]|−|−|項目参照|
|[[シティーハンター]]|−|−|項目参照|
|[[ジパング]]|−|−|項目参照|
|ジャイアントロボ|特撮|防衛隊員|[[スリング]]付|
|~|~|メルカ共和国MP|[[スリング]]付&br;発砲なし|
|[[シャドウ・ワールド]]|−|−|項目参照|
|シルミド|映画|韓国軍兵士|−|
|~|~|684部隊教官|M2|
|[[シン・レッド・ライン]]|−|−|項目参照|
|[[スコーピオン(映画)]]|−|−|項目参照|
|[[スタートレック]]|−|−|項目参照|
|[[スナイパー エリート]]|−|−|項目参照|
|[[砂ぼうず]]|−|−|項目参照|
|[[スワガー・サーガ]]|−|−|項目参照|
|[[西部警察]]|−|−|項目参照|
|セレニティー|映画|−|ミュール号後部に積載|
|[[戦火の中へ]]|−|−|項目参照|
|[[戦略大作戦]]|−|−|項目参照|
|[[蒼天の拳>北斗の拳]]|−|−|項目参照|
|その名は101|漫画|SBC製薬研究所のガードマン|M2|
|空の大怪獣 ラドン|映画|防衛隊員|発砲なし|
|大怪獣バラン|映画|防衛隊員|発砲なし|
|大鉄人17|特撮|中井隊長&br;村中隊員&br;海野隊員&br;剣持保隊長&br;佐原博士|[[スリング]]装着|
|~|~|レッドマフラー隊員|[[スリング]]装着&br;鈍器として使用する者も|
|~|~|野村孝隊員|[[スリング]]装着&br;所持のみ|
|~|~|国防軍兵士|[[スリング]]装着|
|~|~|ブラックタイガー|村中隊員の物を奪う&br;鈍器として使用|
|[[太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-]]|−|−|項目参照|
|[[太陽にほえろ!]]|−|−|項目参照|
|[[地球の静止する日]]|−|−|項目参照|
|地球へ2千万マイル|映画|イタリア軍兵士&br;警官|イーマに発砲|
|~|~|アメリカ軍兵士|未発砲|
|[[父親たちの星条旗>父親達の星条旗]]|−|−|項目参照|
|電撃戦隊チェンジマン|特撮|地球守備隊兵士|[[スリング]]付&br;発砲できず|
|電子戦隊デンジマン|特撮|国防軍兵士|[[スリング]]付&br;発砲なし|
|[[隣のヒットマン]]|−|−|項目参照|
|[[トレマーズ]]|−|−|項目参照|
|[[トンマッコルへようこそ]]|−|−|項目参照|
|[[パイナップルARMY]]|−|−|項目参照|
|[[博士の異常な愛情>博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか]]|−|−|項目参照|
|バッテンロボ丸|特撮|東京サーカスの団長|−|
|バトルフィーバーJ|特撮|国防省兵士|所持のみ|
|[[バトルフィールド ハードライン]]|−|−|項目参照|
|バビルII世|漫画|サンライト号の船員|−|
|バビルII世|アニメ|ヨミの手下|−|
|[[バンド・オブ・ブラザース]]|−|−|項目参照|
|[[範馬刃牙>バキシリーズ]]|−|−|項目参照|
|美少女仮面ポワトリン|特撮|−|[[スコープ]]付&br;ザ・悪魔の商社のオフィスに飾ってあった|
|[[緋弾のアリア]]|−|−|項目参照|
|必殺!ブラウン館の怪物たち|映画|ブラウンの手下|−|
|秘密戦隊ゴレンジャー|特撮|ゾルダー&br;イーグル隊員|−|
|ピンク・キャデラック|映画|純潔主義同盟|[[スリング]]付|
|[[フォーリング スカイズ]]|−|−|項目参照|
|[[フューリー]]|−|−|項目参照|
|[[プライベート・ソルジャー]]|−|−|項目参照|
|[[プライベート・ライアン]]|−|−|項目参照|
|[[ブラザー イン アームズ]]|−|−|項目参照|
|[[ブラザーフッド]]|−|−|項目参照|
|[[ペーパーマン]]|−|−|項目参照|
|[[ヘルボーイ]]|−|−|項目参照|
|[[ボール・ブレット・ガン]]|−|−|項目参照|
|[[放課後アサルト×ガールズ]]|−|−|項目参照|
|北斗の拳|漫画|トヨ|−|
|ポケットモンスター|アニメ|ジュンサー|34話「ガルーラのこもりうた」|
|マーダーライセンス牙|漫画|集英会組員|麻酔弾を発射|
|[[マイウェイ 12,000キロの真実]]|−|−|項目参照|
|[[またまたあぶない刑事>あぶない刑事]]|−|−|項目参照|
|[[マチェーテ・キルズ>マチェーテ]]|−|−|項目参照|
|[[マッドマックス/サンダードーム>マッドマックス]]|−|−|項目参照|
|未来惑星ザルドス|映画|ザルドスから選ばれし者たち|発砲なし|
|[[メダル オブ オナー]]|−|−|項目参照|
|モスラ|映画|福田善一郎&br;調査隊警備員&br;防衛隊員|未発砲|
|最も危険な遊戯|映画|鳴海 昌平|M1A1カスタム|
|~|~|機動隊|−|
|[[遊星よりの物体X>遊星からの物体X]]|−|−|項目参照|
|[[蘇える金狼]]|−|−|項目参照|
|[[ランド・オブ・ザ・デッド]]|−|−|項目参照|
|[[ルパン三世]]|−|−|項目参照|
|[[ワイルダネス]]|−|−|項目参照|
|[[ワイルド7]]|−|−|項目参照|
|私は貝になりたい(2008年)|映画|米軍MP|−|
|[[ワンスアンドフォーエバー]]|−|−|項目参照|
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