*アメリカ海兵隊 / United States Marine Corps

 アメリカ軍を構成する5つの軍([[陸軍>アメリカ陸軍]]、空軍、海軍、海兵隊、沿岸警備隊)の1つ。

 海兵隊とは、アメリカ合衆国の法律の規定に基づき「海外での武力行使」を前提とし、アメリカ合衆国の権益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する。また、必要に応じて水陸両用作戦(上陸作戦)を始めとする軍事作戦を遂行することを目的とする。本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから''「殴り込み部隊」''とも渾名される。
 独自に航空部隊を保有しているため、航空作戦も実施できる。運用している航空機はヘリコプターや艦載専用機で、海軍の航空母艦や強襲揚陸艦などを共用でき、さらに活動範囲を広げることができる。上陸作戦時のための地上戦用装備も備えており、陸軍と同様に主力戦車(MBT)も配備している。

 また、陸海空軍は出撃に際して議会の承認が必要だが、それに対して海兵隊は合衆国大統領の命令のみで行動を起こすことが可能である。

 モットーはラテン語の''Semper fidelis(常に忠誠を)''。口語体では''Semper Fi!(センパーファーイ!)''と言う。
 他に''The Few,The Proud.(誇り高き少数精鋭)''という言葉もある。


 余談ながら、特に日本において、「海兵隊」について誤解されがちな事項としては以下のようなものがある。

-・海軍との混同
前述の通りアメリカ海兵隊は独立した軍隊であり、米海陸軍との従属関係などは存在しない((ただし各国の海兵隊は多くが海軍などに所属する部隊であり、独立した海兵隊を持つのは世界でもアメリカだけ。このため「アメリカ海兵隊」以外の海兵隊を扱っているのであれば、あながち間違いとは言えないだろう。))が、名前が似ているせいかニュースや映画などのメディアではしばしば「Marine(海兵)」を「海軍(Navy)」と誤訳するケースが散見される。また逆に海軍傘下の[[SEAL]]が「海兵隊」と紹介されるケースも存在し、一般的に日本においてはまだまだ海兵隊と海軍を区別するという認識は薄いようである。

-・Corpsの読み
現地人でもたまにある間違いだが、Marine CorpsのCorpsはPSを発音せずに「コー」と読む。誤って「コープス」と発音してしまうと、「Corpse(死体)」の意になるので注意が必要。

***装備品(火器)
|分類|銃器名|備考|h
|自動拳銃|[[M9/M9A1>ベレッタ M92]]|−|
|~|[[M45 MEUSOC>コルト ガバメント バリエーション]]|「MEUピストル」が制式化され、制式名称が付いたもの|
|短機関銃|[[MP5>短機関銃/HK MP5]]|−|
|突撃銃|[[M4カービン>コルト M4]]|−|
|~|[[M16A4>コルト AR15A2]]|M16A2よりアップデート|
|散弾銃|[[M1014 JSCS>ベネリ M4]]|−|
|狙撃銃|[[M14 DMR>スプリングフィールド M14]]|後継のSAMRの採用により退役|
|~|[[M39 EMR>スプリングフィールド M14]]|EMR=Enhanced Marksman Rifle&br;Troy社製Mk.14 EBRが制式化され、制式名称が付いたもの|
|~|[[SAMR>コルト AR15A2]]|M16A4を狙撃銃として改修した[[マークスマン・ライフル>選抜射手]]|
|~|[[M21>スプリングフィールド M14]]|−|
|~|[[M40A3>レミントン M700]]|−|
|~|[[SR-25M>ナイツ SR-25]]|−|
|~|[[M82A3 SASR>バレット M82]]|−|
|軽機関銃|[[M249E4>FN ミニミ]]|−|
|~|[[M240G>FN MAG]]|−|
|重機関銃|[[M2>重機関銃/ブローニング M2]]|−|
|擲弾発射器|[[M203>コルト M203]]|−|
|~|[[Mk.19>US MK19]]|−|
|対戦車火器|[[M136>FFV AT4]]|−|
|~|[[M3 MAAWS>FFV M2]]|−|
|~|[[M47>MD M47]]|−|
|~|[[Mk.153>MD SMAW]]|−|
|~|[[FGM-148>ロッキードマーチン ジャベリン]]|M47の後継|
|~|[[BGM-71>ヒューズ TOW]]|−|
|対空火器|[[FIM-92>GD FIM92]]|−|

***部隊編成
|名称|説明|h
|海兵遠征軍&br;(Marine Expeditionary Force:MEF)|海兵隊における最大規模の編成。&br;1個海兵師団と1個海兵航空団から成る海兵空陸任務部隊(MAGTF)。&br;指揮官は海兵隊中将で地上部隊と航空部隊両方の指揮権がある。|
|海兵遠征旅団&br;(Marine Expeditionary Brigade:MEB)|海兵隊において2番目に大きな編成。&br;増強された海兵隊歩兵連隊、海兵航空群、戦闘支援連隊、司令部部隊より編成される。&br;指揮官は海兵隊少将で総兵員は3000名〜2万名程度。|
|海兵隊遠征隊&br;(Marine Expeditionary Unit:MEU)|海兵隊において常設されている最小規模の部隊。&br;増強された海兵隊歩兵大隊を基幹として、混成ヘリコプター飛行中隊、兵站部隊、そして司令部部隊より編成される。&br;指揮官は海兵隊大佐で総兵員は2200名程度。&br;なお、「MEUピストル」のMEUはこの海兵隊遠征隊に由来。|

***特色ある部隊
・[[アメリカ海兵隊武装偵察部隊(フォース・リーコン)>フォース リーコン]]((アメリカ海兵隊はフォース・リーコンを公式に「特殊部隊」とは認めていないため、特殊作戦軍(U.S.SOCOM)には属せず、海兵隊直轄の部隊となっている。))
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