アーマライト AR18 / Armalite AR18 【突撃銃】

アーマライト AR180
モデル全長(折畳時)重量口径装弾数発射形式製造国
AR18
AR180
965(736)mm3.3kg5.56mm×4520/30/40S/F
S
アメリカ、日本、イギリス
AR18S755(551)mm5.56mm×4520/30/40S/Fアメリカ、イギリス

 アメリカ、フェアチャイルド社のアーマライト事業部が、アーマライトIncとして独立後の1963年に開発した突撃銃。製造権をコルト社に売却したAR15に替わる、新たな5.56mm口径ライフルとして、アーサー・ミラーらによって設計された。ユージン・ストーナーがアーマライトを去る前に、より手堅い構造の突撃銃として設計した「AR16」という7.62mm口径ライフルのプロトをベースとしている。
 作動機構には、オーソドックスなガスピストン方式のガスオペレーションを採用している。このAR18のガスオペレーションは、イギリスのSA80やシンガポールのSAR80、日本の89式小銃*1、近年ではアメリカのMASADAライフルなど、のちの多くのアサルトライフルに継承されている。
 また、工作技術が低い第三国でも製造可能な様、プレス加工部品を多用しているのも特徴である。これには、冷戦下、共産圏の拡大を恐れるアメリカが、工業力の乏しい第三世界の友好国でも生産できる『軍事援助』として開発を後押ししたという、少々物騒な背景もある。
 しかし、そうした背景にも関わらず、AR18シリーズはどこの国の軍隊にも採用されることはなかった。いっぽう、皮肉にもアイルランドのテロ組織IRAによってフルオートマチックに改造された多数の民間用AR180がテロ活動に使われるなど、何かと不遇な目に遭っている。政治的事情などもあって製造メーカーも転々とし、日本の豊和工業、その後はアーマライトの自社生産、さらにイギリスのスターリング・エンジニアリングが継いで、80年代まで生産を請け負っていた。

 豊和工業はAR18シリーズの製造を最初に行っていたメーカーであり、アメリカがベトナム戦争の只中にあった1967年から生産をスタートさせている。といっても、豊和が日本で独自に販売するためではなく、製品はすべてアーマライトに納入される契約だった。
 しかしその直後、紛争当事国への武器輸出を禁じるなどの武器輸出三原則がかがげられ、セレクティブファイアの豊和製AR18は、僅か数十挺で生産中止とされてしまった。民間用のAR180はその後も生産が継続されたものの、IRAがアーマライト製に混じって豊和製のAR180を多数使用していたことが判り、豊和は同モデルも72年に生産中止としている*2。 
 この豊和製AR18シリーズは、後の89式小銃開発の土台ともなり、製造を行った3社のうち最も高精度と評価が高かった。その後に生産を請け負ったスターリング・エンジニアリング社製のAR18シリーズは、3社のうち最も多く生産されたが、最も評価が低かったのもこのスターリング製であったりする。
 
 AR18には民間販売向けのセミオートモデルAR180の他、軍用カービンモデルのAR18Sなどがある。AR18Sには、短縮化に伴う発射音の増加による使用者の負担を減らすため、サプレッサーを装着したモデルや、フォアグリップを装備したモデルなどいくつかのバリエーションがある。
 2001年にはアーマライトのブランドを継承したイーグルアームズ社においてAR-180の復刻モデル「AR-180B」が製造された。このモデルはロワーレシーバーがポリマーを用いた軽量なものに刷新されたが、民間用のため、オリジナルの折り畳み式ではなくレシーバー固定タイプのストック?へと変更。AR15トリガーグループの使用や、簡単な加工が必要なもののAR15マガジンが使用可能になるなど、多くの現代化が施された。
 2018年にはカナダのKodiak社で、総アルミ合金レシーバーを採用した「WK-180(C)」モデルが登場。AR15ストックアダプターを標準で備え、同社でクローンモデルを生産するVz58折り畳みストックも装着可能となっている。
 2019年にはアメリカ販売大手Brownell社からオリジナルの現代化アッパーレシーバー「BRN-180」が販売開始された。このアッパーレシーバーは既存のAR15ロワーへ装着可能であり、既存のAR15をフリーフロート仕様の高精度バレル、折り畳みストックやアジャスタブル・ガスブロックを備えたピストン駆動へとアップグレードすることが可能となっている。銃身長は16.5インチと10インチが用意されている。 

登場作品ジャンル使用者備考
007項目参照
青の祓魔師アニメ解説カットの竜騎士第7話
ウォーキング・デッド項目参照
うぽって!!項目参照
うる星やつら項目参照
エネミー・ライン3 激戦コロンビア項目参照
オペレーションG.G.項目参照
ガンスリンガー・ガール項目参照
ザ・ヒットマン!項目参照
七人のマッハ!映画村人(老人)
真・女神転生II項目参照
ターミネーター項目参照
対魔導学園35試験小隊アニメ生徒会長室のガンラックに掛けてある
第6話
大陸横断超特急映画ロジャー・デヴロースコープ付き
ジョンソン
ダーティハリー項目参照
デイライツ・エンド映画無法者
貧乏姫ですが何か?漫画後藤まゆらアーケードゲームのコントローラ
ブラック・ラグーン項目参照
フルメタル・パニック!項目参照
メタルマックス モモ項目参照
野性の証明映画味沢岳史陸自特殊工作隊員から奪ったもの
北野刑事
長井頼子
渡会登
自衛隊員
特殊工作隊員

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • M16と互換性が無いって話は結構知られてる事だと思っていたのに意外 -- 2015-08-24 (月) 20:58:30
  • アーマライトはNATO弾であるSS109に対応したポリマー製強化ロアレシーバーのAR-180Bを2001年より販売したが、レシーバーの製造を委託していたイーグルアームズが倒産したことで2007年に製造が終了した。 -- 2015-08-24 (月) 21:24:09
  • IRAのイメージが一番強いな -- 2015-09-06 (日) 03:16:06
  • ボルトストップの仕組みはどうなってるんでしょう? -- 2015-11-18 (水) 00:14:31
  • ボルトストップの仕組みはどうなってるんでしょう? -- あーまらいと? 2015-11-18 (水) 00:15:18
  • 残弾ゼロでボルトが後退位置でストップするのはAR15系と一緒。あとは、コッキングハンドルを少し引いてやればリリースされるよ。リリースレバーorボタンは無し。 -- 2015-11-18 (水) 01:04:22
  • AR-18用のオリジナルのマガジンはマグキャッチ用のノッチの位置が異なる為、AR-15系には使用できませんが、サードパーティ製にはAR-15/AR-18双方に使用できるよう、2カ所にノッチを入れたマガジンも存在していました。 -- TNT? 2018-05-18 (金) 20:23:21
  • STANAGマガジン対応モデルも民間であるよ 生産終了してるけど -- 2018-05-20 (日) 11:05:26
  • AR!8て笑笑 -- 2021-02-05 (金) 11:24:56
  • 実写「野性の証明」に登場したもの全てスリングが装着され、冒頭の訓練シーンではバヨネットが装着されていました。味沢岳史は左記の冒頭の自衛官時代に所持しています。北野刑事のフルネームは北野隆正で、一般の自衛隊が特殊工作隊のトラップで全滅した後に所持しているので、死亡した一般の自衛隊から奪ったものだと思われます。 -- 2021-11-04 (木) 00:54:25
お名前:

*1 ただし、89式はロングストローク・ガスピストン式。
*2 豊和工業が生産中止した際に余ったレシーバー等のパーツは、モデルガンやプロップガンに流用されたとか。

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