*アーマライト AR10 / Armalite AR10 【自動小銃】
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*アーマライト AR10 / Armalite AR10 【自動小銃】 [#zcbefc05]
#ref(AI AR10.jpg,center,nolink,AI社製 AR10)
|全長|重量|口径|装弾数|発射速度|発射形式|製造国|h
|1050mm|3.29-4.05kg|[[7.62mmx51>口径]]|20|700発/分|S/F|アメリカ、オランダ|
|1050mm|3.29-4.05kg|[[7.62mm×51>口径]]|20|700発/分|S/F|アメリカ、オランダ|

 アメリカの航空機メーカー「フェアチャイルド」の銃器製造部門「アーマライト」で開発された[[自動小銃]]。[[ユージン・ストーナー]]開発の傑作「[[M16>コルト AR15]]」の元祖で、1956年に発表された。[[M14>スプリングフィールド M14]]とほぼ同時期に開発された、アメリカの第一世代[[突撃銃]]である。

 アーマライトが航空機メーカーの一部門ということもあって、AR10はアルミ合金をはじめとする航空機用の強固かつ軽量な素材がふんだんに取り入れられた。これら素材の採用で極めて軽量に仕上がった一方、射撃の反動はマイルドで[[フルオートマチック>フルオート]]射撃の制御がごく容易だった。同口径の[[FAL>FN FAL]]のように、制御が困難であるからと後になってフルオートが取り払われるということもなかった。これは当初、より強力な.30-06弾の使用を前提として設計されていたことも大きかったらしい。また、[[セミオートマチック>セミオート]]での射撃も高精度で良好と、扱いやすく高性能な、非常に優秀なライフルだったようだ。
 また、ベルト給弾式の[[軽機関銃]]バージョンも試作されており、背負い式のバックパックから、ロワーレシーバーにリンクレスシュートのアダプタを繋ぐ事でマガジン・ベルト双方から給弾可能な設計であった((https://www.youtube.com/watch?v=Lap8cmxJHTU&t=12m54s))。

 AR10は、当時行われていたアメリカ軍の[[M1ガーランド>スプリングフィールド M1]]の後継銃トライアルに提出され、T44E4/T44E5(のちの[[M14>スプリングフィールド M14]])やFALとその座を競っている。AR10は(当時としては)その先進的過ぎる外観から敬遠された、とも言われるが、実際にテストした[[陸軍スプリングフィールド国営造兵廠>スプリングフィールド]]のスタッフらの反応は上々で、評価も他の候補銃より高いものだった。
 しかし、耐久テストで、アルミとスチールで作られた複合素材バレルが酷使に耐え切れず破断してしまい、採用を逃すこととなった。ストーナー自身は強く反対していたものの、当時のアーマライト社長ジョージ・サリバンの指示によって当のバレルを有したモデルが提出された結果だった。以降の製造モデルでは通常のスチール製バレルとなっている。
 
 実はAR10は、大きく二種に分けられる。M16の原型となったAR10と、逆にM16をもとに大口径化したAR10である。外観・構造上の最も大きな差異はチャージングハンドルで、元祖AR10はレシーバー上部の[[キャリングハンドル]]内に覆われる形でハンドルが配置されていた。機構こそ同様の[[リュングマン方式]]ではあるが、言ってみれば、元祖AR10と後者は別物である。
 さらに後者は、[[AR15>コルト AR15]]が完成した直後に作られたAR15ベースの「AR10a」と、フェアチャイルドアーマライトが買収された後に「アーマライトInc」となってから作られた[[M16A2(AR15A2)>コルト AR15A2]]ベースの現行型AR10の二種が存在する。AR10aはさっぱり受けなかったものの、現行の新AR10はさまざまなバリエーションが展開され、一定のシェアを築いているようだ((一方で、小改良を施された元祖AR10スタイルの『AR10B』も、コレクター向けに生産・販売されている))。また近年の[[バトルライフル]]の需要に伴いさまざまなカスタマイズモデルが登場している。
 AR10は、当時行われていたアメリカ軍の[[M1ガーランド>スプリングフィールド M1]]の後継銃トライアルに提出され、T44E4/T44E5(のちの[[M14>スプリングフィールド M14]])やFALなどとその座を競っている。AR10は当時としてはその先進的過ぎる外観から敬遠された、とも言われるが、[[陸軍スプリングフィールド国営造兵廠>スプリングフィールド]]によるトライアルでは、スタッフらの反応は上々で、評価も他の候補銃より高いものだった。しかし、耐久テストで、アルミとスチールで作られた複合素材の軽量バレルが破断してしまい、採用を逃すこととなった。ストーナー自身は強く反対していたものの、当時のアーマライト社長ジョージ・サリバンの指示によって当のバレルを有したモデルが提出された結果だった。アーマライトは通常のスチール製バレルに交換したモデルを即提出したものの、耐久テストの影響は大きく、不採用を告げたスプリングフィールド造兵廠のレポートでは「採用に至るには5年かそれ以上を要する」との理由が述べられている((ちなみに軽機関銃バージョンは、給弾不良や部品の破損など様々な問題を克服することができず、普通に失敗作とみなされて、のちに生産されることもなかった。))。

 オリジナルのAR10は大きく二種に分けられる。M16の原型となったAR10と、逆にM16をもとに大口径化したAR10である。外観・構造上の最も大きな差異はチャージングハンドルで、元祖AR10はレシーバー上部の[[キャリングハンドル]]内に覆われる形でハンドルが配置されていた。機構こそ同様の[[ガス直噴方式]]ではあるが、言ってみれば、元祖AR10と後者は別物である。
 さらに後者は、[[AR15>コルト AR15]]が完成した直後に作られたAR15ベースの「AR10a」と、フェアチャイルドアーマライトが買収された後に「アーマライトInc」となってから作られた[[M16A2(AR15A2)>コルト AR15A2]]ベースの「AR10B」の二種が存在する。
 AR10aはさっぱり受けなかったものの、1995年に開発されたAR10Bはさまざまなバリエーションが展開され、一定のシェアを築いている((一方で、小改造を施された元祖AR10スタイルのモデルも、コレクター向けに生産・販売されている))。
 AR10Bは、先行する((1990年に登場。))[[SR-25>ナイツ SR-25]]を元に開発され、プロトタイプ自体がSR-25のアッパーアセンブリに合わせてパーツを形成する形で設計された。この現行AR10は、近年の[[バトルライフル]]の需要に伴い、DPMS LR-308、[[ラルーOBR>自動小銃/ラルータクティカル OBR]]、[[LMT MWS>LMT MRP]]などのさまざまなAR10クローン登場の先駆けとなった。
 2012年には、サードパーティ製マガジンを使用可能とした「AR10A」が登場している。これは要するに、ベストセラーの社外製マガジンであるマグプル製の「P-MAG 20LR」に合わせた製品である。このマグプルの.308口径用P-MAGは、もともと[[ナイツ>ナイツ・アーマメント・カンパニー]]のSR-25/M110に合わせて設計された製品であり、アーマライトのAR10には未対応であった。近年登場した後発の他社製モデルは、当然のようにP-MAGに対応した設計であったため、取り残される形となっていたアーマライトもようやくこれに沿うこととなった。

 日本でも法規上は(AR15系でも、6.8mmSPCなどの6mm以上の口径モデルならば)、装弾数を5発(チャンバー装弾を含む)に制限し、日本の[[猟銃]]所持資格や経歴(小銃は散弾銃の所持を十年以上)を満たしていれば、所持することが出来る。しかし、銃規制強化やアメリカ同時多発テロ事件により、新規許可は難しくなっている。

 元祖AR10は1957年に、オランダのAI(Artillerie Inrichtingen/アーティラリエ・インリッチンゲン)社に製造権が売却されている。1960年までにAI社によって10000挺ほどが製造され、グアテマラ、ビルマ、イタリア、キューバ、スーダン、およびポルトガルに販売された。
 わずかに民間向けにセミオートオンリーとされたものもあるが、そのほとんどが軍用のフルオート射撃可能なモデルだった。これらは購入した各国の軍隊で限定的に配備され、その多くがアフリカの紛争地帯で活躍した。スーダン特殊部隊やポルトガル空挺部隊などの精鋭部隊で苛酷な戦闘を経験し高く評価されたほか、鹵獲されてそのまま隣国の準制式ライフルとなったり、ゲリラの手に渡って革命に使われるなど様々な運命を辿っている。 
 あのチェ・ゲバラやフィデル・カストロもキューバ革命後、軍の倉庫に試用向けに納入されていたこの銃の性能に惚れ込み、ディーラーをアメリカから呼び寄せて即座に追加分も含めた代金を支払った。無論アメリカからの輸出が許可される筈も無かったが、僅か100挺のAR10はキューバの精鋭の手で猛威を振るい、ドミニカ革命においても大きな戦果を上げている。


|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[うぽって!!]]|−|−|項目参照|
|[[学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD]]|−|−|項目参照|
|[[ガン・ブラッド・デイズ]]|−|−|項目参照|
|[[偽典・女神転生>女神転生]]|−|−|項目参照|
|[[ご注文はうさぎですか?]]|−|−|項目参照|
|[[ジオブリーダーズ>ダイナマイトが百五拾屯 雑魚キャラコーナー]]|−|−|項目参照|
|[[ジャック・リーチャーシリーズ]]|−|−|項目参照|
|[[ジョン・ウィック]]|−|−|項目参照|
|[[スーパーマン]]|−|−|項目参照|
|[[砂ぼうず]]|−|−|項目参照|
|迷い猫オーバーラン!|アニメ|梅ノ森家の私設武装集団|-|
|[[ドールズフロントライン]]|−|−|項目参照|
|[[バイオハザード マルハワデザイア>バイオハザードシリーズ]]|−|−|項目参照|
|ボボボーボ・ボーボボ|漫画|コンバット・ブルース|−|
|迷い猫オーバーラン!|アニメ|梅ノ森家の私設武装集団|−|
|[[メタルスラッグ]]|−|−|項目参照|
|モンタナの目撃者|映画|パトリック・ブラックウェル|本銃ベースの近代風カスタム&br;TANカラー&br;マグプルUBR[[ストック>銃床]]仕様&br;[[スコープ]]装着&br;[[サプレッサー>減音器]]装着&br;[[AN/PEQ15>レーザーサイト]]装着&br;[[バイポッド]]装着&br;[[Pマグ>マガジン]]仕様|
|[[傭兵たちの挽歌]]|−|−|項目参照|
|[[ワイルド7]]|−|−|項目参照|
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