*FN GM FP45 “リベレーター” [#da426d09]
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|~全 長|140mm|~重 量|454g|~口 径|.45ACP|~総弾数|1発|~製造国|アメリカ|
#author("2022-12-11T12:01:54+09:00","default:user","user")
*ゼネラルモーターズ FP45 "リベレーター"  / GM FP45 "Liberator"[#da426d09]
#ref(FP45.jpg,center,nolink,FP45)
|全長|重量|口径|装弾数|製造国|h
|140mm|454g|[[.45ACP>.45ACP弾]]|1(グリップ内に10発「収納」可能)|アメリカ|

正式名称「Flare Project Caliber .45(FP45)」の名前を持つ本銃は、第2次大戦中の1942年に製作された小型拳銃である。 アメリカ軍は枢軸国支配下のレジスタンスを支援するため本銃を開発し、製作は自動車製造技術に長けていたジェネラル・モータースに依頼。 至極単純な構造なため生産効率は非常に高く、生産期間は約6ヶ月間と云う短期間にも関わらず約100万挺が生産され空中投下などで敵支配地域にばらまかれた。&br;
 総弾数が1発なうえ装填方法が複雑で数十秒かかるため、違う意味での「一撃必中」な武器。ライフリングも無いので命中精度も散々で、お互いの顔の表情が見えるほどの至近距離でないとまず命中しなかった。アメリカ側の意図としては歩哨など1人で立ってる敵に無害を装って近づき「この銃で倒して、そいつの武器を奪え」との事だったらしい。無責任な話である。
 1942年にアメリカ軍の国防研究委員会(NDRC)によって開発された小型[[拳銃]]。
 正式名称「Flare Project Caliber .45(FP45)」。その安っぽさから当時のファイブ&ダイムストア((19世紀末に登場した、5〜10セント台のワンコイン商品ばかりを扱った雑貨店。現代日本における100均ショップに相当し、戦前日本でも10銭ストアという商店が全国展開していた。現代同様、呼ばれ方は様々。))の名に因んだ「ウールワース((オーストラリア企業だが、アメリカでも相当数を出店していた。))・ガン」などの蔑称で呼ばれることもあった。

#br
 ヨーロッパやアジアの枢軸国支配地域のレジスタンスを支援するべく開発された。製造は自動車製造技術に長けていたゼネラルモーターズ(GM)が担当。 薄い鉄板を電気溶接で継ぎ合わせた至極単純な構造で生産効率は非常に高く、約6ヶ月と云う短期間で約100万挺が生産された。コストは[[.45ACP弾]]が10発ついて一挺当たり2.4ドルほど。
 銃身には[[ライフリング]]も無く、有効射程はおよそ2mとも言われ、相手の顔の表情が読めるほど接近しないとまず当たらなかったという。おまけに装填方法が複雑で、一発ごとに数十秒もかかり、違う意味での「一撃必中」な武器だった。

 再装填の手順は次の通り。
 1.後ろのつまみを引き90度左にひねる。
 2.薬室への蓋を上にずらして開ける。
 3.付属の棒、無ければ口径より小さい棒を銃口から突っ込み空薬莢を出す(危険だが、緊急時には銃口をくわえて息を吹き込んで薬莢を出すこともできる)。
 4.グリップ底にある蓋を開け中から予備の[[弾薬]]を取り出し薬室に入れる。
 5.蓋を閉じ、つまみを戻す。

 アメリカ側としては、歩哨などの「1人で行動している敵」に無害を装って近づき、リベレーターで倒してから敵の武器を奪うという運用を想定していたらしい。枢軸側が支配的だった当時の欧州で、大規模な反攻・レジスタンスへの直接支援が当面望めない中での窮余の一策と言えるが、少々無責任な話ではある(尤も「まともな」武器を大量に送れば、逆に枢軸国側に拾われるとそのまま使用されかねないため、やむを得ない面もある)。
 どんな言語圏の人間でも理解できるよう、イラストのみで解説した簡便なマニュアルと装填用の棒が添えられ、枢軸側支配地域にパラシュートで大量に投下される予定であった。しかし、ドイツ空軍がまだ健在で航空優勢を維持していた時期だったため、大量のリベレーターを運ぶ輸送機は手配できず、結局投下作戦は実行されなかった。製造されたうちの50万挺をイギリスが受領しヨーロッパ中にバラまかれる予定であったが、大半を近海に破棄してしまったという。
 むしろリベレーターの真の狙いは、ドイツ軍の後方撹乱にあったともされる。最低限の機能しかない使い捨ての銃でも、レジスタンスにばら撒かれれば十分脅威となる。情報をあえてリークしておけば、ばら撒かれたであろうリベレーターの捜索と回収に相応のコストを支払わねばならず、これだけでも充分な役割を果たせる目論見だった((リベレーターと直接の関係は無いが、当時のドイツ軍は、パルチザンを始めとするレジスタンス活動への対抗措置の一つとして、ドイツ兵士一人の殺害に対し、報復としてレジスタンス捕虜10人の処刑を喧伝・実行していた。これも一種の心理戦戦略である。))。

 余談だが、このリベレーターの後継として[[コルトM1911A1>コルト ガバメント]]の[[プレス>プレス加工]]生産タイプが計画されていたという。生産は引き続きGM社が行う予定だったか、やはり技術的に無理があったのか、結局は計画倒れに終わっている。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|マスターキートン|漫画|ロッカ|−|
|マスターキートン|漫画|カルロ・フェルナンド|−|
|Dr.スランプ|漫画|則巻 千兵衛|「びびるマンの巻」&br;扉絵で所持&br;[[減音器]]のつもりなのか、&br;銃口にちくわを装着|
|R.O.D -READ OR DIE-|アニメ|ナンシー 幕張|アニメOP時使用|
|カフス−傷だらけの地図−|漫画|伊武|改造銃『パンチガン』のベース|
|[[艦隊これくしょん -艦これ-]]|−|−|項目参照|
|[[ジオブリーダーズ>ダイナマイトが百五拾屯 雑魚キャラコーナー]]|−|−|項目参照|
|[[シティーハンター(アニメ版)>シティーハンター]]|−|−|項目参照|
|[[バトルフィールド V>Battlefield V]]|−|−|項目参照|
|[[ブレイブウィッチーズ>ストライクウィッチーズ]]|−|−|項目参照|
|[[マスターキートン]]|−|−|項目参照|
|マッド・ブル34|漫画|電気屋ニコル|ヘルメットに仕込んで使用|
|[[ミスタークリス]]|−|−|項目参照|

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CENTER:このページの画像は[[Wikimedia Commons>http://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Musee-de-lArmee-IMG_1038.jpg]]から転載しています。
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