各ユニット重量 |
M225砲身アセンブリ | M170二脚アセンブリ | M64A1照準器 | M7底板 | M8底板 |
8.16kg | 6.89kg | 1.13kg | 6.53kg | 1.63kg |
射程 (最小/最大) |
M888榴弾 | M720榴弾 | M49A1榴弾 | M302A1白燐弾 | M83A3照明弾 | M766演習弾 |
70m/3,490m | 70m/3,490m | 44m/1,930m | 33m/1,630m | 725m/951m | 56m/538m |
M224は近接支援用の軽量な中隊迫撃砲である。通常は全備重量が21.0kgであるが、軽量なM8底板とM225砲身のみを組み合わせ、全備重量8.16kgの非常に軽量なハンドヘルド迫撃砲として運用可能である。またファイア・セレクターによって、一般的な砲口落下と砲身下部のトリガーによるいずれかの撃発方法を選択できる特徴をもつ。
M224を構成するM225砲身は、片方をベース・キャップにて閉塞された、砲身長1,000mmのスムース・ボア前装砲で、ベース・キャップ付近の下部には、冷却用のフィンがモールドされ、キャリングハンドルを兼ねた、トリガー・システムが付属する。トリガー・システムは、トリガー、ファイア・セレクター、ハンドヘルド迫撃砲として運用する際の照準照尺よりなる。
M224で使用される2種の底板は、いずれもアルミニウム鍛造の一体成形で作られており、M7底板は円形、軽量なM8底板は長方形となっている。
M7底板はボールソケットによって、6,400ミル全周に砲を指向可能で、裏側には固定のために4枚の鋤がモールドされている。一方、M8底板は二脚を用いず、砲身のみと組み合わされ、M224を超軽量迫撃砲とし、攻勢的な作戦で火力支援するのに適している。左右800ミル、計1,600ミルの範囲で砲を指向でき、ロッキング・アームにて砲身と連結されている。
M170二脚は、スチール製の折り畳み可能な二脚で、ショック・アブソーバが付属しており、上部の左右転輪と下部の上下クランクにて砲の姿勢を調整できる。
砲弾には、M224用に作られた長射程の砲弾セットであるスタンダードAと、旧式のM2およびM19 60mm迫撃砲用の砲弾であった、射程の短いスタンダードB*1とよばれる砲弾セットが用意されている。砲弾はNATOカラーコードにより、榴弾にはオリーブ、白燐弾にはライトグリーン、照明弾にはホワイト、演習弾にはブルーのカラーリングが施されている。ただし、米軍独自のカラーコードでは、白燐弾はグレー色で、照明弾は無塗装となっている。
信管にはM720榴弾用にマルチオプションのM734信管と、M888榴弾用のポイント・デトネーティングのM935信管が用意されている。
M734信管は、地表より約1〜4mで爆発する近接炸裂、地表より0〜1mで爆発する近地表炸裂、着発、弾着後0.5秒で爆発する遅延の、4つのモードを選択できる。モードの選択には工具を必要とせず、ダイヤルをひねるだけでモードを選択でき、発砲まで何度もモードを変更できる。M734信管は従来の迫撃砲弾用信管と違い、オペレーション・タイムを節約するため、アーミング用の安全ピンや安全ワイヤは付属していない。アーミングは尖端内部のタービンが、風速約21.4m/secの風を、100mの距離において受けることによりなされる。
M888信管は、瞬発か遅延をダイヤルにてモード選択でき、発砲前には安全ワイヤを引き抜いて使用する。
米軍では、M224は2個分隊からなる軽迫撃砲班によって運用される。班は、班長、分隊長、砲手2名と弾薬運搬手2名の計6名からなる。班長と分隊長はライフルを、砲手と弾薬運搬手はハンドガンを自衛火器として装備している。
各分隊はM224システムを構成する一式を装備し、その他評定用などに双眼鏡やM2コンパス、迫用弾道計算機、プロット・ボード、連絡用にTA-1電話などを有する。班長はさらにボア・サイトや無線機を装備する。
攻撃や遭遇戦においては、重いM7底板は段列などに残地され*2、5kg近くも軽いM8底板が使用される。M8底板に換装すれば、分隊はさらに3発多くの砲弾を携行できるようになる。また分隊がライフル分隊に戦闘哨戒などのために配属された際も、軽便なM8底板にて運用される。
実戦でM224は、直接的な火力支援よりも、煙幕の展張や照明弾の打ち上げによるサポートの方が、ライフル分隊から重宝されている。
ちなみにやろうと思えば、スプリガンの主人公のように、手で持って立射ができる*3。しかし江戸期の大筒のごとく、大仰に反動を逃がさねばならず、危険であるし、とても実用性があるとは思われない。
登場作品 | ジャンル | 使用者 | 備考 |
スプリガン | − | − | 項目参照 |
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