ウィンチェスター M1912 / Winchester Model 1912 【散弾銃】

ウィンチェスター M1912
全長重量口径装弾数製造国
モデルによって様々モデルによって様々12ゲージ
16ゲージ
20ゲージ
28ゲージ
5 or 6アメリカ

 ウィンチェスター社が開発したM1897は、リピーターショットガンの元祖と呼ばれる傑作銃だったが、ハンマーが露出式なので色々と問題も多かった。そこで登場したのが、トーマス・クロスレイ・ジョンソンが設計した、同社初のハンマー内蔵式ショットガン「M1912(単にM12とも呼ばれる)」。ハンマー内蔵式ショットガンの基礎を築き、“パーフェクト・リピーター”の別名を持つ。1912年の登場から1963年の製造中止までの間、200万挺ものM1912が製造された。

トレンチガン

 M1912は、銃身長、ゲージ、チョーク、銃身の形状(ノーマル、リブ付き、ベンチレーテッドリブ付き)、フォアエンドの形状、ストック?の材質、などの違いにより様々なバリエーションが存在する。発売当初は20ゲージモデルのみだったが、後に12・16・28ゲージモデルが登場した。.410口径モデルは存在しないが、M1912のスケールダウン版である「M42」は、.410口径に対応している。
 現在、ショットシェルの全長は2-3/4インチが主流だが、初期のM1912のショットシェルは、12ゲージで2-5/8インチ、16ゲージで2-9/16インチ、20ゲージで2-1/2インチと統一性が無かった。そのため、1930年以降に製造された全てのモデル(一部は除く)は薬室のサイズが改良され、2-3/4インチシェルに対応する措置がとられた。

 様々なバリエーションがあるなか、銃身を短くした“トレンチガン”はアメリカ軍が使用したことで有名である。第一次世界大戦では約2万挺、第二次世界大戦では約8万挺のM1912をアメリカ軍が購入。先代のM1897同様、トリガー・ディスコネクターを持たないため、特に塹壕戦で威力を発揮した(ラピッドファイアができる)。その後、朝鮮戦争とベトナム戦争初期にも投入された実績を持つ。
 しかし、スチール部品の鍛造・機械加工は製造コストがかかり、また1950年にレミントン社の傑作ショットガン・M870が登場したこともあって、1963年に製造中止となった(2006年までは、US リピーティングアームズ社による製造・販売が行われていた)。ちなみにベトナム戦争中、アメリカ軍が使用していたM1912の代わり(消耗が激しく、ウィンチェスター社の在庫も使い尽くしていた)として空きを埋めたのは、イサカ社のM37である。

 

各種バリエーション

モデル製造期間銃身長ゲージその他特徴
スタンダード1912〜1963年26,28,30,32in12,16,20,28最初期モデル。溝付きフォアエンド。
トラップ1914〜1963年30in12チェッカー付きフォアエンド。グリップはセミピストルかストレートタイプ。特注クルミ材
ブラックダイヤモンド・トラップ1914〜1963年30in12グリップのチェッカーがダイヤモンド型。他はトラップと同様
ピジョン1914〜1963年26,28,30,32in12,16,20,28特注モデル。レシーバーがエングレーブ仕様。オイルフィニッシュ。チェッカー付きフォアエンド。グリップはセミピストルかストレートタイプ。特注クルミ材
トーナメント1914〜1963年30in12チェッカー付き小型フォアエンド。グリップはセミピストルかストレートタイプ
ライオット1918〜1963年20in12ショートバレル。バックショット用のシリンダー型チョーク。溝付きフォアエンド。レシーバーに"U.S."ロゴ
トレンチ1918〜1963年20in12ショートバレル。放熱バレルジャケット*1M1917バヨネット用の着剣装置。酸化被膜処理。溝付きフォアエンド。レシーバーに"U.S."ロゴ
スキート1933〜1963年26in12,16,20,28スキート競技用チョーク。チェッカー付き延長型フォアエンド
ヘビーダック1935〜1963年30,32in12,16,20,28全長3インチのショットシェル*2が使用可能。溝付きフォアエンド。リコイル軽減用のラバー製バットプレート
スーパーフィールド1935〜1963年26,28,30in12,20リブ付きバレルオンリー。チェッカー付きフォアエンド。特注クルミ材
フェザーライト1959〜1962年26,28,30,32in12,16,20,28軽量合金モデル。溝付きフォアエンド
 
登場作品ジャンル使用者備考
Condemned 2: Bloodshotゲームイーサン・トーマスソードオフモデル
FRINGE/フリンジ項目参照
Return to Castle Wolfenstein: Tides of War項目参照
X-MEN:ファースト・ジェネレーション項目参照
アンタッチャブル項目参照
ウォルター少年と、夏の休日映画ガース・マッケーンライオット
宇宙戦争項目参照
ジェニファー8映画フレディ・ロス
トランスフォーマー項目参照
バットマン ビギンズ項目参照
ヘブンズ・プリズナー映画トゥート
ベルベット アサシン項目参照
メダル オブ オナー エアボーン
メダル オブ オナー ライジングサン
項目参照
メン・イン・ブラック項目参照
要塞警察項目参照
ラッキーナンバー7項目参照
ワイルドバンチ映画クラレンス・“クレイジー”・リーライオット
ワンスアンドフォーエバー項目参照

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  • マッドマックスにも登場してました -- 2018-05-21 (月) 20:13:49
  • マッドマックスにも登場してました -- 2018-05-21 (月) 20:13:49
  • マッドマックス1作目でマックスが所持していました
    マッドマックスの項目ではウィンチェスター M1897と書いてありますが実際はこの銃です -- 2018-06-11 (月) 07:33:06
  • 映画「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」の終盤で制服警官が発砲。暗いシーンだったのでバレル上部の放熱カバーはあるのかよく分かりませんでしたが着剣ラグがあるのでトレンチガンモデルだと思います。 -- 2023-02-09 (木) 19:42:55
お名前:

*1 放熱穴の一列の数は、第一次世界大戦モデルでは6つ、第二次世界大戦モデルでは4つ。
*2 弾薬はスーパースピードとスーパーXの2種で、“3インチマグナム”とも呼ばれる。

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