イジェマッシ AK-12 / Ижмаш АК-12 【突撃銃】

AK-12
モデル全長重量口径装弾数発射速度発射形式製造国
AK-12(試作)945mm3.3kg5.45mm×39
5.56mm×45
7.62mm×39
7.62mm×51
30700発/分S/3/F(2013年以前の試作型)ロシア
S/2/F(2014年以降の試作型)
AK-12(生産モデル)880/940mm3.3kg5.45mm×3930/95700発/分S/2/F
AK-15880/940mm3.3kg7.62mm×3930
AK-308880/940mm3.3kg7.62mm×5120/30
RPK-16900/1080mm4.5kg5.45mm×3930/95700発/分S/F
TR-3880/940mm3.3kg5.45mm×39
7.62mm×39
.366 TKM
10/30S

 2010年にロシア国防省によって公開されたAKシリーズの最新モデル。ウラジーミル・プーチン首相(当時)が査察のため製造元であるイジェマッシ社へ公式訪問した際、AK-200の名でデモンストレーション段階であった本銃が披露された。2011年からテストが行われているという。2014年12月にはロシア軍への制式採用が決定され、順次配備を進めるとされている。
 同社では最新のAK-12はAKシリーズの第5世代に当たるとしている。

 外見はAK-74Mを元にして明らかな改良点が見られ、セレクターがグリップハンドの親指で操作可能なアンビのものとなり、押しボタン式のマガジンキャッチが追加されている。重要な変更点として、単なる「カバー」であったため土台自体の固定精度が緩く各種光学照準器の設置に適していなかったレシーバーのトップカバーがヒンジ付きのものとなっており、固定精度を大幅に高めている。
 ハンドガードやレシーバートップにピカティニーレールを備え、ダットサイトレーザーサイトフラッシュライトなどを取り付けられるようになっている。またこれまでのGP25/GP30擲弾発射器を銃身下に取り付けることも可能。ストックは、伸縮折り畳み可能な新型になっている。ヒンジ部が新設計となっているようだが、AK-74Mと同様の外観のストックへ交換することができるようだ。
 マガジンはAKシリーズと共用可能で、50発*1複々列弾倉や95発のドラムマガジンにも対応する。バレルやフラッシュハイダーにも改良が加えられ、射撃精度もより向上したとメーカーは主張している。

 軍用バリエーションとして、カービン型のAK-12U、拳銃弾を使用する短機関銃型のPPK-12、狙撃銃型のSVK-12、軽機関銃型のRPK-12が計画され、民間型として.223レミントン弾モデルや12ゲージ散弾銃型モデルが予定されていた。

Ak12 2016
 

 2016年にはレシーバー周りが旧来型に近いものに先祖返りしたモデルが発表された。変更点として伸縮式バットストックがM4タイプのものとなり折畳機構もAK-74M/AK-100系と同様のものとなっている。セレクターもコッキングスロットのダストカバーを兼ねた従来型となっているが、クレブスのような民間のモダンカスタムAKに見られる、グリップハンドの人差し指で操作が行えるベロ状ステップが追加されている。ハンドガードはフリーフロート化され、トップカバーの固定方式はヒンジから前後の楔ピン式に変更された。
 ガスブロックは他の近代的なガスピストンシステム同様先端プラグ式となっており、これを取り外すことでガスチューブ内部の清掃が可能となった。一般的にはガスブロックのプラグはガス圧調節ダイヤルを兼ねることが多く、AK-12系統も将来的にこのパーツを交換するだけでガス圧調節が可能になるものと見込まれている。
 マガジンは5発ごとの残弾確認窓が追加され、底面を地面と水平にカットしてマガジン自体が簡易なモノポッドとして機能するようになったほか、ユニークな機構として、5.45mm×39弾仕様と5.56mm×45弾仕様では30発フル装填時には底面プレートからピンが突出し、フル装填済みであることを認識可能となっている。この新型マガジンと旧来のAKライフルのマガジンとは、相互に共用可能である。
 2022年現在、ロシア軍が装備するAK-12の生産型は上記とほぼ同等のものである。フリーフロートバレルなど一部に特徴的な設計は見られるものの、全体として民間型カスタムAKクローンレベルの仕様に落とし込まれている。
 2022年2月24日に勃発したロシアによるウクライナ侵攻では本銃をロシアのみならず鹵獲したウクライナでも多数運用する事となったが、双方ともに旧来のAK-74Mや、コンツェルン・カラシニコフによる改良型であるAK-74RMO*2の方が優れているとの評価が多いようだ。新しいハンドガードはプラスチック製で金属製のインサートも無く、手で押しただけで容易くたわむことから照準機器の装着に向かない。レシーバーのトップカバーは各種照準器用のマウントレールを備えたにも関わらず固定に問題があり、カバーの着脱のたびゼロインが狂う。ガスチューブは旧モデルのように通常分解では取り外すことが出来なくなり、清掃がかえって困難になっている。*3
 2023年には、シリーズの最新モデルである「AK-12M1」の生産がスタートする予定である。

 バリエーションについては「AK-12」が5.45mm×39弾モデル、「AK-15」が7.62mm×39弾モデルとなった。カービンモデルとして「AK-12K」「AK-15K」が。軽機関銃モデルとしては5.45mm×39弾仕様の「RPK-16」がある他、民間向けにはセミオートのみの「TR-3」がロシア国内の銃規制に対応した10発マガジンと共に販売されている。

登場作品ジャンル使用者備考
Alliance of Valiant Arms項目参照
アームド・アサルト項目参照
暗殺教室項目参照
エスケープ フロム タルコフ項目参照
空母いぶき GREAT GAME漫画ロシア軍スペツナズ第7集〜
銃身下にマイクロ波発振器装着
ゴーストリコン フューチャーソルジャー項目参照
コール オブ デューティ: アドバンスド・ウォーフェア項目参照
コール オブ デューティ: ゴースト項目参照
コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア項目参照
自衛隊上がりのかーちゃんが怖い漫画第6話、内藤のイメージ内で登場
シン・ジョーズ 最強生物の誕生映画隊長スリング装着
使用時には減音器装着
ドールズフロントライン項目参照
バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!アニメユシル3,8話
回想シーン
AK12 2016
ダットサイトらしき箱状の物がレシーバー上面に装着されている
マガジン形状はSTANAGマガジンに近い
バトルフィールド 4項目参照
バトルフィールド 2042項目参照
レインボーシックス シージ項目参照
 

このページの画像はウィキメディア・コモンズから転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。


最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 画像差し替え分からないんで放置ですけど評判が良くない噂のあったストック周り変えた2020年版モデルも出ましたね。オトナの都合で名前は違うグレーゾーンモデルですけど… -- 2021-05-22 (土) 05:06:35
  • テレビアニメ「バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!」の3話と8話で登場。ユシルとヤナ・クリストファそれぞれの回想内でユシルが発砲(3話のみ、8話はユシルが所持しているだけで発砲無し。※3話と8話でヤナ・クリストファが手にしているシーンは無し)。ダットサイトらしき箱状のものがレシーバー上面に装着されている。銃全体の形状は本文中に貼られている画像のAK12 2016とほぼ同じ形状。マガジン形状はSTANAGマガジンに近い。3話の状態は 2021-05-01 (土) 17:18:44に書いた通りなんですが8話のものはストックまで含めて全体が描かれていたので判断できました。それとやはり作画がおおざっぱなのは変わらないので架空銃と思う人がいるかもしれません。3話だけでは確信できず8話でやっと確信できた状態なので・・・ -- 2021-06-08 (火) 03:53:37
  • 「同社ではAK-47を第1世代、AK-74とAK-74Mをそれぞれ第2、第3世代、AK-100系を第4世代のカラシニコフ・ライフルとしており、」という部分は、どのようなソースに基づくものですか? -- 2021-10-09 (土) 17:29:22
  • 「同社ではAK-47を第1世代、AK-74とAK-74Mをそれぞれ第2、第3世代、AK-100系を第4世代のカラシニコフ・ライフルとしており、」という記述は本当にカラシニコフ社自身がコメントしたものですか?出典の明示を求めましたが、2ヵ月経っても返答がありません。AKMの項目に「1959年にAK47の後継として配備が始まった突撃銃」と記載がありますが、その記述との整合性はどのようにお考えでこんな記述を書いているのでしょうか?AKMは、複数の設計局から様々な設計案を募ったトライアルの結果1959年に制式採用された、AK-47とは異なる製法で製造された後継モデルであり、プレス加工のレシーバーを導入したAKMは、その後のAK-74、AK-74M、AK-12に至るまでの世代の技術的基盤を確立したモデルである。また、AK-47を設計したミハイル・カラシニコフは当初プレス加工を想定していたが、当時のソ連にはプレス加工とリベット加工に必要な技術力が不足していた為、試行錯誤のうえ旧来の切削加工に生産途中で変更せざるを得なかった経緯があり、AKMは設計者の当初の理想を10年を経て実現した、先代のAK-47とは画期をなすモデルである。プレス加工のレシーバーの採用は、生産効率の向上、生産コストとライフル重量の軽減につながり、冷戦のために需要が増大していたAKシリーズのアサルトライフルの増産を容易とした。このAKMこそが、AKシリーズの中で最も多数生産され、その後に世界中に広まったAKシリーズの中核となったモデルと言える。もし万が一、そのAKMをAKシリーズの「世代」として列挙しない発言をしたカラシニコフ社の社員がいたとしたら、その人間は自社の栄光の歴史を知らない、とんでもない愚か者だとしか考えられませんが。。。「公知の歴史的事実」を否定するのはいい加減止めたらいかがですか?ここは「フェイクサイト」ですか? -- 2021-12-12 (日) 04:15:38
  • AK-100シリーズの項目に「ロシアのイジェマッシ社が輸出用に開発したAKシリーズの最新型で、「AK-100シリーズ」と呼ばれている。従来木製だった部品は、AK74Mと同様の黒い成型色のプラスチック製とされ、口径や銃身長の異なる7機種が製造されている。バットストックは、AK74Mと同様のプラスチック製のものと、AKS74と同様の金属製のものの2種が用意されており、いずれも左サイドに折り畳めるようになっている」との記述がありますが、つまりAK-100シリーズはAK-74Mの輸出向けの「派生品」なのではないですか?この記述との整合性はどのようにお考えでこんなAK-100シリーズとAKー74Mとは「別の世代」などという記述を書いているのでしょうか?カラシニコフ社の公式サイトでは現在(2021年12月時点)でも、ロシア語サイトにおいても英語サイトにおいても、最新のAK-12シリーズだけでなくAK-74MとAK-100シリーズとが並列で掲示されており、旧ソ連軍およびロシア軍が制式小銃としている5.45x39mm弾を用いる通常銃身型はAK-100シリーズにはラインナップされていない。つまり、AK-100シリーズはAk-74Mの同世代の輸出向け派生品としてカラシニコフ社のサイトで掲示されており、カラシニコフ社がAK-74MとAK-100シリーズが「別の世代」だと認識していない証拠だと思いますが。。。もう一度繰り返し質問しますが、「同社ではAK-47を第1世代、AK-74とAK-74Mをそれぞれ第2、第3世代、AK-100系を第4世代のカラシニコフ・ライフルとしており、」という内容は本当にカラシニコフ社自身がコメントしたものですか?しっかりと「ファクトチェック」していますか? -- 2021-12-12 (日) 04:55:46
  • 2013年に編集された記述に関して長々とコメントご苦労様ですが、このページを閲覧している貴方も「ファクトチェック」して修正する役目を担える1人ですよ。このサイトをまだ利用しているのかも怪しい8年前の当該記述の編集者に長々と問い掛けるよりも、自分で修正したらどうですか? -- 2021-12-12 (日) 05:13:55
  • 了解しました。修正させて頂きました。 -- 2021-12-12 (日) 05:44:25
  • 悲しいかな、ウクライナ侵攻でロシア軍空挺が使っていて、ウクライナ側も鹵獲して使っているようだ… -- 2022-03-08 (火) 00:23:19
  • ウクライナでの戦訓を受け2点バースト廃止だそうだ -- 2023-05-28 (日) 10:27:31
  • モスクワ郊外のコンサートホールを襲撃したイスラム国を名乗るグループが本機種の初期型(2016年製)を使用していたようです。 -- 2024-03-24 (日) 21:48:56
お名前:


*1 AK74用に60連マガジンが存在するが、これは実地試験で給弾不良が多く、弾上がり向上のためには装弾数を10発ほど減らしてやる必要があったことから、AK12用のものは最初から最大装弾数50発で再設計された。
*2 制式名称はKM-AK。こちらも少なくない数がウクライナによって鹵獲運用されている模様。
*3 The AK12 - A failure to modernize. [Russia's newest standard rifle]

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2023-09-16 (土) 19:12:27 (220d)