ウェブリー&スコット ウェブリーピストル / Webley & Scott Webley Pistol 【自動拳銃】

M1909の無可動実銃
モデル全長銃身長重量口径装弾数製造国
M1904254mm165mm1400g.455 Webley Auto7+1イギリス
M1905
M1908
159mm89mm580g.32 ACP8+1
M1906
M1907
120mm54mm340g.25 ACP6+1
M1909203mm140mm985g9mm×20 SR8+1
M1910203mm127mm1000g.38 ACP8+1
159mm89mm?g.380 ACP7+1
M1911?mm229mm700g.22 Long1
M1912
M1913
216mm127mm1131g.455 Webley Auto7+1
M1922203mm123mm960g9mm×20 SR8+1

 ウェブリーピストルは、イギリスのウェブリー&スコット社が開発した、シングルアクション式の自動拳銃である。同社の銃器デザイナーであるウィリアム・ホワイトニングが設計を行った。

M1912の無可動実銃

 複数のバリエーションが存在し、モデルによって作動方式や安全機構、口径などに違いが見られる(詳細は下記の表を参照)。
 ショートリコイルモデルは、発砲時に銃身が斜め後方に下降する「ドロップバレル・ロッキング」という独自のロッキングシステムを備えている。この閉鎖方式では、スライド上面がフラット状になっている(他モデルではアーチ状)。
 安全機構として、マニュアルセイフティを備えたモデルと、グリップセイフティを備えたモデルの2種類がある。マニュアルセイフティはグリップ左上にあり、レバーが水平状態でロックがかかり、押し上げると解除される。スライドリリース機能は、マニュアルセイフティ付きモデルならセイフティレバーを押し上げることで機能し、無いモデルならグリップ左上のボタンで操作する。マガジンリリースレバーの位置は、弾倉底部、グリップ底部、トリガーガード後部など、モデルによって様々。

 1903年にホワイトニングが設計を開始し、ショートリコイル式で.455ウェブリーオート弾を使用する試作モデル「M1904」を開発する。1905年には、作動方式をシンプルブローバックに変更し、小口径の.32ACP弾を使用する小型の「M1905」を開発。この銃はイギリス軍の制式拳銃トライアルに提出されたが、同時代のリボルバーを超える性能を発揮できず、結局採用は見送られた。しかし、1911年には改良モデルの「M1908」がロンドン警視庁ほか各警察機関に採用されている。
 1910年には、再びドロップバレル・ロッキングによるショートリコイル式に戻した「M1910」を開発している。M1910の改良モデル「M1912」はイギリス海軍が"Mk.I ネイビー"、「M1913」はイギリス陸軍航空隊と王立騎馬砲兵が"Mk.I No.2"としてそれぞれ採用し、第一次世界大戦で使用した。しかし、これらのモデルは大柄で重い、グリップが握りづらい、当時使用していたコルダイト火薬(燃えカスが残りやすい)とドロップバレル・ロッキング(クリアランスがきつい)の相性が悪く、頻繁にジャムを起こす(この問題は、ニトロセルロース火薬の登場で解決)などの問題が多かった。配備は限定的で、戦後は再びリボルバーを制式拳銃に戻している。ただし、少数は警察機関や海外の植民地軍などで引き続き使用されていた。
 作動に難のあった大口径・ショートリコイルモデルとは異なり、小口径・ブローバックモデルは民間市場向けに1920年初頭まで製造されていた。

バリエーション

モデル特徴
M1904.455ウェブリーオート弾を使用する試作モデル
ショートリコイル
外装式ハンマーマニュアルセイフティ
弾倉底部にマガジンリリースレバー
M1905
M1908
M1904の.32ACP弾モデル
シンプルブローバック
M1906
M1907
M1905の.25ACP弾モデル
全モデルの中で最も小型サイズ
M1909M1905の9mmブローニングロング弾モデル
M1910M1905の.38ACP弾モデル
ショートリコイル。ドロップバレル・ロッキング
内蔵式ハンマー
マニュアルセイフティ又はグリップセイフティの2種類
.380ACP弾/ショートバレルの少数生産モデルもあり
M1911M1905の.22ロング弾モデル
競技用のロングバレル
薬室に1発のみ装填するシングルショット
M1912
M1913
M1910の.455ウェブリーオート弾モデル
ただし、外装式ハンマー・グリップセイフティ
グリップ底部にマガジンリリースボタン
リアサイトはM1912は固定式、M1913は調節式
弾倉にマガジンキャッチ用の穴が2つある*1
Mk.I No.2にはショルダーストック付きの少数生産モデルもあり
M19229mmブローニングロング弾
シンプルブローバック
外装式ハンマー。マニュアルセイフティ
トリガーガード左側後部にマガジンリリースボタン
 
登場作品ジャンル使用者備考
007は殺しの番号/ドクター・ノオ項目参照
Verdunゲームプレイヤーグリップセイフティ
ダンタリアンの書架アニメロンドン市警
デス・リバー 失われた帝国映画ダリアマニュアルセイフティ
ピーキー・ブラインダーズTVドラマライアン
マグワイア
マニュアルセイフティ
シーズン1・第6話

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッドの警察官がこれを持ってた気が。 -- 2016-11-20 (日) 17:37:37
  • なんかすごく…おもちゃっぽいです… -- 2016-11-21 (月) 07:26:09
  • 007は殺しの番号/ドクター・ノオにも登場してました -- 2018-05-20 (日) 10:30:44
  • 007は殺しの番号/ドクター・ノオにも登場してました -- 2018-05-20 (日) 10:30:45
  • 007は殺しの番号/ドクター・ノオにも登場してました -- 2018-05-20 (日) 10:30:58
  • 007は殺しの番号/ドクター・ノオにも登場してました -- 2018-05-20 (日) 10:31:01
  • 007は殺しの番号/ドクター・ノオで殺し屋が使用してました(減音器付き) -- 2018-06-24 (日) 09:46:15
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*1 イギリス海軍の要請で、携行時の暴発防止対策として、弾倉を完全に挿入する手前で止めておく仕組み。
*2 無可動実銃を販売しているイギリスの会社。

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Last-modified: 2020-02-28 (金) 22:32:34 (1510d)