CZ CZ38 (vz.38) 【自動拳銃】

CZ38
銃身長全長重量口径装弾数製造国
4.625in206.4mm910g.380 ACP9+1チェコスロバキア

 CZ38(vz.38)は、旧チェコスロバキアの国営銃器工場が1939年から1945年まで製造していた、.380ACP弾を使用する自動拳銃である。銃器デザイナーのフランティシェック・ミスカが1937年に設計を行った。

 作動方式はシンプルブローバック。トリガーはダブルアクションオンリー。銃身先端にはフレームと繋がるヒンジを有し、通常分解時にはフレーム左側にあるテイクダウンレバーを操作してロックを解き、銃身を跳ね上げたのちスライドを引き抜く設計である。
 DAOのためハンマーは手ずから操作できないものの、頂部のみがスライドから露出している。スライドストップ機能はあるが、手動のリリースレバーは無い。グリップ底部には、マガジンリリースレバーとランヤードリングを備える。グリップパネルは側面から背面までを覆う一体型で、木製とプラスチック製の2種類。なおブルガリアへの輸出モデルには、フレーム左側後部に、オリジナルのCZ38には無いマニュアルセイフティが追加されていた。

 同国軍が制式採用していたvz.24を更新するべく開発され、1938年に行われた軍のトライアルを経て制式採用され"vz.38"の名称が与えられた。しかし、第二次世界大戦直前に起きたナチス・ドイツによるチェコスロバキア解体の影響を受け、同国軍への配備が行われることは無かった。占領前に少数のCZ38がブルガリアへ輸出されたが、大半(約1万挺)はドイツ警察や治安部隊によって"P39(t)"*1の名称で凖制式化された。
 .380ACP弾の自動拳銃としては大柄で重く、ダブルアクションオンリーのトリガープルの感触も悪かったため、同社の傑作拳銃CZ27(vz.27)とは違い、戦後に製造が再開されることは無かった。

登場作品ジャンル使用者備考
Adelheid映画ヘンヤ
Atentát映画クラール中尉
ストナッド軍曹
ヴィスコシル軍曹
トウセク軍曹
Horká zima映画フィーセラ中尉
パルチザン
Hra bez pravidel映画デューダ
マレク
Hrísní lidé mesta prazskéhoTVドラマ殺し屋
La fièvre monte à El Pao映画ラモン・ヴァスクェス
イネス・ロハス
Pěnička a Paraplíčko映画プラハ警察
スパイ大作戦TVドラマダニエル・ブリッグスシーズン1・第1話
ウィリー・アーミテージ
シナモン・カーター
父親シーズン1・第9話

このページの画像はウィキメディア・コモンズから転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。


コメントはありません。 Comments/自動拳銃/CZE CZ38?

お名前:


*1 (t)は、ドイツ語でチェコスロバキアを意味する"Tschechoslowakei"の頭文字。

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-08-11 (木) 00:08:54 (2809d)