#author("2020-02-28T23:01:07+09:00","default:user","user")
#author("2020-09-04T19:38:55+09:00","default:user","user")
*88式自動歩銃 / 88식 자동보총 【突撃銃】 [#t77c606e]
#ref(type 88-1 spy ship 2.JPG,center,nolink,25%,海上保安資料館横浜館に展示されている88-1式自動歩銃)
#br
|モデル|全長(伸縮時)|重量|連射速度|口径|装弾数|発射形式|製造国|h
|~88式自動歩銃|930mm|不明|不明|[[5.45mm×39>口径]]|30/不明+1|S/F|北朝鮮|
|~88-1式自動歩銃|940(伸縮時不明)mm前後((出典:海上治安研究会編(2004)『北朝鮮工作船がわかる本』成山堂、83頁の写真より))|不明|~|~|~|~|~|
|~88-2式自動歩銃|不明|不明|~|~|~|~|~|
|~名称不明カービンモデル|不明|不明|~|~|~|~|~|

 1980年代後半に北朝鮮が[[68式自動歩銃>突撃銃/DPRK 68式自動歩銃]]の後継として、ソ連の[[AK74>USSR AK74]]を参考に製造していると見られる小銃。
 木製の固定[[ストック>銃床]]には他国製AK74に見られるような[[AKM>USSR AKM]]との識別用の溝が無く、スリングスイベルの位置や膨らみの無いハンドガードは58/68式自動歩銃から継承されている((ストックに溝があり、他国製AK74と同じ位置にスリングスイベルがある個体も確認されてはいる))。このため、本銃では後部スリングスイベルと干渉しないレシーバー左側面のやや前部側にサイドレールと思しき物が付いている個体もある。
 マガジンは[[中国北方工業公司(ノリンコ)>中国北方工業公司]]の[[88-S式突撃歩槍>USSR AK バリエーション]]の物によく似た金属製の物を使用する。このマガジンはポーランドのKbk wz.1988 タンタルやルーマニアのPA md.86(AIMS74)のような、[[AK47 III型>USSR AK47]]のマガジンをそのまま[[5.45mm×39弾>5.45mm x39弾]]のテーパーからくる緩い彎曲に合わせただけのような形状ではなく、AK47 II型や[[56式自動歩槍>突撃銃/PRC 56式自動歩槍]]型の、背面のリブが無く、側面下部のリブの配列が異なるタイプのマガジンを5.45mm口径対応にしたと思われる形状をしている。
 PA md.86のように槓桿(コッキングハンドル)が斜め上方向に曲がっている個体もある。これは左手で引きやすくするため、あるいは後述の88-1式自動歩銃の右側面に折り畳むストックと干渉させないためなどが理由ではないかとされる。

 [[ガリル>IMI ガリル]]、または[[56-2式自動歩槍>USSR AK バリエーション]]のストックから樹脂製パーツを外したような形状のストックを備えたタイプは88-1式自動歩銃と呼ばれ、そのストックはロシア製AKS74とは逆の右側面に折り畳むようになっている。
 2001年の九州南西海域工作船事件において、海上保安庁の巡視船に向けて発砲された北朝鮮製AKS74というのはこの88-1式自動歩銃である。その後自沈した工作船やその他の装備と共に揚収され、現在は横浜の海上保安資料館横浜館に展示されており、誰でも無料で見ることができる。
 中国の[[79式衝鋒槍>短機関銃/PRC 79式冲鋒槍]]の物と酷似したトップフォールディングストックを備えた88-2式自動歩銃というバリエーションも確認されている。これは金正恩党委員長の警護を担当する兵士が、円筒状のヘリカルマガジンらしいものを装着した88-2式自動歩銃を所持していることが確認されており、通常のマガジンと比べて幅広なヘリカルマガジンと干渉しないように設計されたものではないかという説がある。
 このモデルやその[[カービン>騎兵銃]]モデルは朝鮮人民軍第525軍部隊直属特殊作戦大隊にも配備されていることが確認された。
 
 88式自動歩銃が他国へ輸出されたという情報はないが、アフリカのザンビアや南米キューバで88-1式自動歩銃に似たストックを持つAKが写っているものがあるようだ。

 優秀な兵士に最高指導者(現在は金正恩党委員長)から直々に下賜される、「栄誉贈呈銃」と呼ばれる贈呈用の88式自動歩銃も存在し、それらは全ての金属部分に銀メッキが施され、レシーバーのハンドガード側の端には「조국통일(祖国統一)」の文字、トラニオンブロックには今は亡き金正日総書記のサインが彫られている((現在は金正恩党委員長のサインが彫られているのかもしれない))。88式自動歩銃の通常タイプのグリップは樹脂製だが、贈呈用モデルでは見栄えを意識してかグリップは木製である。

 近年ではAK74Mのようにハンドガード、ストック、グリップ、マガジンが黒い[[樹脂>ポリマーフレーム]]製のものも確認されている。ストックには部分的に[[MPi-KM>突撃銃/GDR MPi-KM]]のようなブツブツとした突起がある。
 この黒い樹脂製パーツを多用した北朝鮮版AK74にも上述の「栄誉贈呈銃」は存在しているようだ。

 固定ストック、グリップ、マガジン、そしてアッパーハンドガードが黒い樹脂製で、ロアハンドガードのみが木製というAK74もあり、既存の88式自動歩銃の近代化がパーツ単位で進められているケースもあるようだ((前述の海上保安資料館横浜館に展示されている88-1式自動歩銃も、上下のハンドガードの内、アッパーハンドガードのみが黒い樹脂製で、ロアハンドガードは木製である。現在のところ日本で北朝鮮製AK74用黒色樹脂パーツが確認された最も古い事例はこの九州南西海域工作船事件である))。

|登場作品|ジャンル|使用者|備考|h
|[[PMC ザ・バンカー]]|−|−|項目参照|
|TRIDENTS トライデンツ|漫画|北朝鮮工作員|88-1式自動歩銃|
|ゴルゴタ|小説|北朝鮮特殊部隊|88-1式自動歩銃|
|[[コンビニDMZ]]|−|−|項目参照|
|瀕死のライオン|小説|北朝鮮兵|−|
#hr
CENTER:このページの画像は編集者が海上保安資料館横浜館にて撮影したものです。
CENTER:転載に関しては、[[コピーレフト宣言>転載に関して]]をした上で行ってください。
#hr
----
#pcomment

トップ   編集 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS