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*削り出し加工 / Mill working [#y610853c]

 その名の通り、金属のブロックを切削工具と呼ばれる刃物で削って、各部品を成形していく加工法。
 鍛造によって強度を増した加工の難しい素材や、チタンなど『曲げ』がほとんど不可能な硬い素材からも部品を成形するできることから、銃身やボルトなど最も強度を必要とする部品は、各種部品のポリマーへの置き換えが進んだ現在に至るまでもこの製法で作られている。
 鍛造によって強度を増した加工の難しい素材や、チタンなど『曲げ』がほとんど不可能な硬い素材からも部品を成形するできることから、銃身やボルトなど最も強度を必要とする部品は、各種部品の[[樹脂材料>ポリマーフレーム]]への置き換えが進んだ現在に至るまでもこの製法で作られている。

 その反面、旧来の加工機械では部品の軽量化の面からは不利であり、また製造工程が多くなるため、必然的に手間もコストもかかってしまう。しかし1960年代頃からはCNC(コンピュータ数値制御)によるNC旋盤や、更にそれを発展させたマシニングセンタが登場。それまでと比べて精度の高い部品や複雑な形状の部品の大量生産が可能となり、省力化・軽量化・コストダウンが可能となった。特に現在のCNCマシンによる切削加工は、非常に高精度なパーツが成型可能であるため、精度の求められる機関部品の製作に今も欠かせない加工手段となっている。

 各銃器メーカーで使われるこうした切削マシンのメーカーとしては、日本のヤマザキマザック、オークマ、ファナック、アメリカのHaas、韓国の斗山などがある。また、[[カラシニコフ・グループ>イズマッシュ]]のように自社グループ内で切削マシンを製造している銃器メーカーも存在する。

 余談ながら、第二次大戦後に生産された[[ワルサー P1>ワルサー P38]]は、基となった設計が戦後のオートメーション切削マシンをさすがに考慮していなかったことから、なかなかコストを抑えられず苦労したと言われる。
 また、第二次世界大戦に投入された[[トンプソン短機関銃>短機関銃/オートオードナンス トンプソン]]は削り出し加工故に生産性に難があったといわれているが、その一方でプレス加工で必要な専用の金型が不要で切削マシンさえあれば製造可能であるため軍閥時代の中国でコピー生産が盛んであった。

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