#author("2022-06-04T11:10:43+09:00","default:user","user")
#author("2022-06-06T10:51:33+09:00","default:user","user")
*アメリカ海兵隊 / United States Marine Corps [#la45a124]

 アメリカ軍を構成する5つの軍([[陸軍>アメリカ陸軍]]、空軍、海軍、海兵隊、沿岸警備隊)の1つで、1775年にイギリス海兵隊(ロイヤル・マリーンズ)を模して創立された。

 海兵隊とは、アメリカ合衆国の法律の規定に基づき「海外での武力行使」を前提とし、アメリカ合衆国の権益を維持・確保するための緊急展開部隊として行動する。また、必要に応じて水陸両用作戦(上陸作戦)を始めとする軍事作戦を遂行することを目的とする。本土の防衛が任務に含まれない外征専門部隊であることから''「殴り込み部隊」''とも渾名される。
 独自に航空部隊を保有しているため、航空作戦も実施できる。運用している航空機はAH-1Wスーパー・コブラ攻撃ヘリを始めとする各種ヘリコプターやAV-8B ハリヤーIIなどの艦載専用機で、海軍の航空母艦や強襲揚陸艦などを共用でき、さらに活動範囲を広げることができる。上陸作戦時のための地上戦用装備も備えており、陸軍と同様に主力戦車(MBT)も配備している。

 また、陸海空軍は出撃に際して議会の承認が必要だが、それに対して海兵隊は合衆国大統領の命令のみで行動を起こすことが可能である。

 モットーはラテン語の''Semper fidelis(常に忠誠を)''。口語体では''Semper Fi!(センパーファーイ!)''と言う。
 他に''The Few,The Proud.(誇り高き少数精鋭)''という言葉もある。


 余談ながら、特に日本において、「海兵隊」について誤解されがちな事項としては以下のようなものがある。

***海軍との混同 [#p30632fb]
前述の通りアメリカ海兵隊は独立した軍隊であり、米海陸軍との従属関係などは存在しないが、名前が似ているせいかニュースや映画などのメディアではしばしば「Marine(海兵)」を「海軍(Navy)」と誤訳するケースが散見される。また逆に海軍傘下の[[SEAL]]が「海兵隊」と紹介されるケースも存在し、一般的に日本においてはまだまだ海兵隊と海軍を区別するという認識は薄いようである。
 前述の通りアメリカ海兵隊は独立した軍隊であり、米海陸軍との従属関係などは存在しないが、名前が似ているせいかニュースや映画などのメディアではしばしば「Marine(海兵)」を「海軍(Navy)」と誤訳するケースが散見される。また逆に海軍傘下の[[SEAL]]が「海兵隊」と紹介されるケースも存在し、一般的に日本においてはまだまだ海兵隊と海軍を区別するという認識は薄いようである。

***Corpsの読み [#a05011d9]
現地人でもたまにある間違いだが、Marine CorpsのCorpsはPSを発音せずに「コー」と読む。誤って「コープス」と発音してしまうと、「Corpse(死体)」の意になるので注意が必要。
 現地人でもたまにある間違いだが、Marine CorpsのCorpsはPSを発音せずに「コー」と読む。誤って「コープス」と発音してしまうと、「Corpse(死体)」の意になるので注意が必要。

***装備品(火器) [#a951ce59]
|分類|銃器名|備考|h
|自動拳銃|[[M9/M9A1>ベレッタ M92]]|−|
|~|[[M45CQBピストル>コルト ガバメント バリエーション]]|「MEUピストル」が制式化されたもの|
|~|[[コルト M45A1 CQBP>コルト M45A1]]|M45CQBピストルの後継として2012年に採用|
|~|[[M18>シグザウエル P320]]|2020年に採用|
|短機関銃|[[コルト 9mmSMG>短機関銃/コルト 9mm短機関銃]]|−|
|突撃銃|[[M4カービン>コルト M4]]|2015年より全てのM16A4から順次置換。&br;なおそれ以前から下士官以上の兵士、非戦闘職種の護身用、市街地戦を戦う前線の兵士などで使われていた。|
|~|[[M16A4>コルト AR15A2]]|M16A2よりアップデート|
|散弾銃|[[M1014 JSCS>ベネリ M4]]|−|
|~|[[870MCS>レミントン M870]]|−|
|~|[[モスバーグ 590A1>モスバーグ M500]]|−|
|DMR|[[M14 DMR>スプリングフィールド M14]]|後継のSAMRの採用により退役|
|~|[[M39 EMR>スプリングフィールド M14]]|EMR=Enhanced Marksman Rifle&br;セージ社製EBRを備えたモデルが制式化されたもの|
|~|[[SAMR>コルト AR15A2]]|M16A4を[[狙撃銃]]として改修した[[マークスマン・ライフル>選抜射手]]|
|~|[[M38 SDMR>HK M27 IAR]]|M27の[[DMR>選抜射手]]転用モデル。高倍率[[スコープ]]と[[サプレッサー>減音器]]を使う以外ほぼ同仕様。|
|狙撃銃|[[M40A3>小銃/レミントン M700]]|−|
|~|[[M40A5>小銃/レミントン M700]]|−|
|~|[[Mk 11 Mod 0>ナイツ SR-25]]|−|
|~|[[M110 SASS>ナイツ SR-25]]|−|
|~|[[M82A3>バレット M82]]|−|
|~|[[M107>バレット M82]]|−|
|分隊支援火器|[[M27 IAR>HK M27 IAR]]|2018年からは主力ライフル化。|
|~|[[M249>FN ミニミ]]|−|
|汎用機関銃|[[M240B>FN MAG]]|M240Gから陸軍と互換性があり、銃身の寿命を延ばすため連射速度が遅いM240Bへと変更|
|重機関銃|[[M2>重機関銃/ブローニング M2]]|−|
|擲弾発射器|[[M203>コルト M203]]|−|
|~|[[Mk.19>US MK19]]|−|
|対戦車火器|[[M136>FFV AT4]]|−|
|~|[[M3 MAAWS>FFV M2]]|−|
|~|[[M47>MD M47]]|−|
|~|[[Mk.153>MD SMAW]]|−|
|~|[[FGM-148>ロッキードマーチン ジャベリン]]|M47の後継|
|~|[[BGM-71>ヒューズ TOW]]|−|
|対空火器|[[FIM-92>GD FIM92]]|−|

***部隊編成 [#y842139d]
|名称|説明|h
|海兵遠征軍&br;(Marine Expeditionary Force:MEF)|海兵隊における最大規模の編成。&br;1個海兵師団と1個海兵航空団から成る海兵空陸任務部隊(MAGTF)。&br;指揮官は海兵隊中将で地上部隊と航空部隊両方の指揮権がある。|
|海兵遠征旅団&br;(Marine Expeditionary Brigade:MEB)|海兵隊において2番目に大きな編成。&br;増強された海兵隊歩兵連隊、海兵航空群、戦闘支援連隊、司令部部隊より編成される。&br;指揮官は海兵隊少将で総兵員は3000名〜2万名程度。|
|海兵隊遠征隊&br;(Marine Expeditionary Unit:MEU)|海兵隊において常設されている最小規模の部隊。&br;増強された海兵隊歩兵大隊を基幹として、混成ヘリコプター飛行中隊、兵站部隊、そして司令部部隊より編成される。&br;指揮官は海兵隊大佐で総兵員は2200名程度。&br;なお、「MEUピストル」のMEUはこの海兵隊遠征隊に由来。|

***特色ある部隊 [#hb09f509]
-・[[アメリカ海兵隊武装偵察部隊(フォース・リーコン)>フォース リーコン]]
アメリカ海兵隊が誇る「精鋭部隊」。アメリカ海兵隊はフォース・リーコンを公式に「特殊部隊」とは認めていないため、特殊作戦軍(U.S.SOCOM)には属せず、海兵隊直轄の部隊となっている。
 アメリカ海兵隊が誇る「精鋭部隊」。アメリカ海兵隊はフォース・リーコンを公式に「特殊部隊」とは認めていないため、特殊作戦軍(U.S.SOCOM)には属せず、海兵隊直轄の部隊となっている。
-・MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)「マリーン・レイダース」
9.11以降の対テロ戦争において、SOCOM傘下の特殊部隊の必要性を感じた海兵隊が組織した特殊作戦部隊。試験的な部隊「DET-1」から始まり、2006年から正式に「MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)」として組織された。2014年には「マリーン・レイダース」の愛称が与えられている。
装備は基本的にSOCOMのもので、海兵隊とは独立した装備を使うことが多い。
 9.11以降の対テロ戦争において、SOCOM傘下の特殊部隊の必要性を感じた海兵隊が組織した特殊作戦部隊。試験的な部隊「DET-1」から始まり、2006年から正式に「MARSOC(アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド)」として組織された。2014年には「マリーン・レイダース」の愛称が与えられている。
 装備は基本的にSOCOMのもので、海兵隊とは独立した装備を使うことが多い。

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