H&K P7 【自動拳銃】

H&K P7M13
モデル全長重量口径装弾数製造国
P7M8171mm780g9mm×198+1ドイツ
P7M10175mm1210g.40 S&W10+1
P7M13175mm805g9mm×1913+1

 1970年代後半に、H&K社が、警察用ピストルとして開発した小型自動拳銃。当初、「PSP(Polizei Selbstlade Pistole/警察用セミオートマチックピストル)」の名で完成したが、当時の西ドイツ警察の新型制式ピストルトライアルへの提出時に「P7」*1の仮番号が与えられて、そのまま制式名となった。

 本銃の大きな特徴の一つがガスディレードブローバック、又はガスロックという機構である。ガスオペレーションが発射ガスの圧力を利用してチャンバーの「開放」を行うのに対し、ガスディレードブローバックはスライドを「閉鎖(ロック)」して、後退を遅らせる仕組みである。
 もう一つは、スクイズコックと云う機能。グリップ前部が稼動し撃針と連動するコッキング・レバーとなっており、これを押し込む事で撃針がコックされ、緩めるだけで、コック状態の撃針がふたたびデコッキングされる仕組みである。これにより、携帯時に引き金が引っかかり暴発する危険性が無くなり、銃を取り出し構えるだけで射撃が可能となる。元々は警察用を念頭に開発されたため、安全性と即応性を両立させるべく、この様な仕組みが考え出された。しかし、スクイズコックを固定するために他の銃では使わない筋肉を使用する為、銃の保持バランスが崩れてしまい、何かと使いづらいと不評であった。GSG9ではP7を装備していた当時、隊員に対して徹底的な取り扱い訓練を課していたようだ。
 マガジンリリースは初期型ではグリップ底部、マガジンハウジングの後方に設けられていた(ボトム・キャッチ式)が、マイナーチェンジ型のP7M8、M13では、コッキング・レバー直上(上掲画像)に移設され、アンビとなり、グリップハンドでの操作も可能になった。トリガー後部の左側面には、スクイズコックと連動するスライドキャッチ・レバーが配されており、コッキング・レバーを握れば、後退位置でホールドされたスライドがリリースされて、即発射可能となる。また、スライドキャッチ・レバーのみを操作することも可能だ。
 機構上、マニュアルセフティはなく*2、グリップ後部のフレーム左サイドに配された丸いボタンはスライドリテイナーという部品で、通常分解のさいに使用するボタンである。スライドを僅かに引いた状態でこれを押すことで、スライドを取り外すことが出来る。

 P7はガスディレードブローバック用のシリンダーをスライド下に持っているが、初期型ではここが過熱して射手の指を焼いてしまう欠点があったため、これを耐熱樹脂でカバーし、同時にトリガーガードを大型化したP7M8が作られた。
 また、P7M8をベースに弾倉をダブルカラム化したP7M13、.40S&W仕様のP7M10などが開発された。P7M10は1991年からアメリカ市場向けに生産・販売されたもので、アメリカのシューター達の間では『ジャム無し、リコイル軽い、よく当たる』と隠れ(?)ファンが居ると言われる。

 ドイツ国内を始め、19か国で警察・軍用として採用され、ギリシャやメキシコではライセンス生産も行われた。2008年にはH&K本社での製造は終了しており、採用組織の大半はそれまでに同社のUSPで置換している。
2007年には最終モデルが25周年記念の特別仕様で500挺限定で販売された。P7M8の木製グリップパネルモデルをベースに設計者の名前とシリアルナンバーの刻印が施されており、表面に「P7」のロゴと精緻なP7のモチーフが裏面に彫刻された記念コインが付属した*3

各種バリエーション

モデル解説
P7M13SP7M13にフレーム右側面にマニュアル・セイフティが追加されたモデル。メキシコでライセンス生産され、同国軍で配備された
P7M8SD
P7M13SD
銃口部にサプレッサーが取り付け可能なモデル
P7K3バレルとマガジンを交換することで.22LR弾、.32ACP弾.380ACP弾の3つの口径が使用できる。
また、.22LR弾用バレルには低い腔圧でスライドが作動するためにフローティング・チャンバーが装備されている
P7M7.45ACP弾を使用するモデル。6挺製造された後、開発が中止された
 
登場作品ジャンル使用者備考
0011ナポレオン・ソロ項目参照
007項目参照
20世紀少年項目参照
24 -TWENTY FOUR-項目参照
Angel Beats!項目参照
B-DASH漫画タナトスの密輸品
CARRIERゲームジェシファー・マニングゲーム内名称「ガジェット1」
シルバーモデル
I/Oゲームイシュタル
Mr.&Mrs. スミス項目参照
アイアンマン3項目参照
アルマゲドン映画ウィーリー・シャープ大佐シルバーモデル
イエスタデイ 沈黙の刻印映画拉致犯の一人警察庁長官誘拐時に使用
サプレッサー装着
イレイザー項目参照
いばらの王項目参照
ウォンテッド映画ニック・ランダルサイドアーム
M13のニッケルフィニッシュ
発砲シーンなし
エイブル項目参照
エンド・オブ・デイズ項目参照
オペレーションG.G.項目参照
ガングレイヴ項目参照
ガンスミスキャッツ項目参照
ガンスリンガー・ガール項目参照
キック・アス項目参照
キラー・エリート(2011年)項目参照
銀と金漫画神威勝広サイドアーム
神威秀峰勝広の遺品
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語項目参照
攻殻機動隊ARISE項目参照
合法都市漫画盤流源一郎エングレーブ
拳銃型のライター
ゴルゴ13項目参照
ザ・マジックアワー項目参照
シークレットゲーム
-KILLER QUEEN-
ゲーム麻生 真奈美回想シーン
北条 かりん発砲無し
ジョン・ウィック チャプター2項目参照
地雷震漫画飯田 響也
スワガー・サーガ項目参照
西部警察項目参照
ゼロイン項目参照
戦闘メカ ザブングルアニメラグ・ウラロ
戦闘妖精・雪風小説深井零FAF(フェアリイ空軍)工廠製P7M13
ローラーロッキング(架空銃?)
続新ワイルド7項目参照
ダイ・ハード項目参照
小類人漫画淵島病院の職員発砲はせず
沈黙の戦艦項目参照
つり球アニメアキラ・アガルカール・山田
トゥルーライズ項目参照
ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌項目参照
ハンニバル・レクター・シリーズ項目参照
ビバリーヒルズ・コップ2項目参照
ファントム オブ インフェルノ項目参照
ブルーゲイル漫画ラグ・ウラロ
ブラックライダー映画クイント発砲無し
ニーナラストでクイントから借用
BLACK LIST No.1 法の外の住人たち漫画シオ・ベルスーズ二挺拳銃
ブロンドジャンクション映画エミリー・ショウ終盤でジェインから奪って使用
ジェイン・フェレシルバーモデル
前半ではサプレッサー付き
亡国のイージス項目参照
ボール・ブレット・ガン項目参照
マスク項目参照
ミッション:インポッシブル項目参照
名探偵コナン項目参照
メタルギアソリッド項目参照
モンスター項目参照
ヨコハマ買い出し紀行アニメ
漫画
初瀬野 アルファ
ヨルムンガンド項目参照
ルパン三世項目参照
ワイルダネス項目参照
わが心臓の痛み小説テリー・マッケイレブ
ジェイムズ・ヌーン

このページの画像はHK DEFENCEから転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。



スパムコメント対策としてhttpを含むコメントは投稿エラーとなります。
最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • スクイーズコッキングをオミットして変則DA、またはスクイーズコッキングをXDや1911のグリップセーフティと同じ場所にすれば少しは通用するかもしれません。
    もっとも、そんな事をしたらP7の個性が消えてしまいますが。 -- Stoner? 2013-02-09 (土) 20:41:36
  • 安全に携行できて、取り出してすぐ撃てるのは魅力的ですが、やはりしっかり握らないと発砲できないのは痛いですね。人差し指以外の指を強く握るとトリガーが引きづらいですからね・・・ -- 2013-02-09 (土) 20:52:39
  • オートマチックの弱点である緊急発砲時のセフティ解除動作による対応遅れを回避するための一つの回答だったわけだけどね、アイデアは素晴らしいが実戦で使用してみるとあちこち不具合が出る、銃に限らず新機構を搭載したツールにはよく起こることだよ -- 2013-09-13 (金) 09:28:00
  • これ割りとコンパクトだけど5インチバレルとか作ろうって言う試みは無かったんかね? -- 2014-10-24 (金) 18:58:53-しかしこの銃、映画にはそこそこ出ている割にゲームにはあまり出て来ませんね。こういう「マニア好み」の銃をよく出すARMA系にぐらい出てても良さそうなもんですが。 -- 2015-06-18 (木) 21:37:55
  • 警察用拳銃って出自を考えると、軍vs軍(orテロリスト)ってシチュエーションが多いFPSには出しにくいかな…。 -- 2015-06-18 (木) 22:32:03
  • 軍での大口採用もメキシコぐらいですもんね…… -- 2015-06-18 (木) 22:49:56
  • しかし実際のところ、「即応性」や「精度・制御性」は一体どれほどのものだったのかは気になりますね。これも安定した.45ACP仕様が完成していれば、ジェフ・クーパー氏に「最高のコンバット・オート」と呼んで貰えた可能性はあったのか・・・まぁ実際はCz75が挙げられていた辺り、少なくともアメリカ人好みではないんでしょうね。 -- 2015-06-18 (木) 23:32:01
  • 法執行機関にとって銃は威圧する道具でもあるからね。銃口をまっすぐ向けて降伏を促すというのは発砲の前に必ず必要な動作。安全装置がかかってるかなんて向けられた側からは分からないわけだから、犯人にとっては投降以外の選択肢を考えさせないほどの危険を感じさせ、一方警官は犯人を誤って射殺することなく絶大な威圧感を発揮できる。安全装置ってのはそういう道具ですよ。 -- 2016-07-04 (月) 10:27:25
  • 最初は嫌いだったけどウッドグリップ付けてる動画見てから一気に印象変わった -- 2016-12-31 (土) 15:43:52
  • ルトガー・ハウアー主演の『ウォンテッド』で、主人公ニック・ランダルのサイドアームとしてM13のニッケルフィニッシュが出てきてる。
    ただし発砲シーンなし。 -- TNT? 2017-10-13 (金) 16:19:59
お名前:


*1 ワルサー P38がP1、シグ P210がP2、アストラ600/43がP3、ワルサー P4、及びワルサー P5がそのまま、シグザウエル P225がP6。
*2 メキシコ軍で採用されたライセンス生産モデルの"P7M13S"を除く。
*3 http://lundestudio.com/HKP7M8JubileeFAQ/II/2.html

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2017-10-13 (金) 17:03:18 (42d)