.300ウィンチェスターマグナム弾 / .300 Winchester Magnum

 .300ウィンチェスターマグナム弾は、アメリカのウィンチェスター社ハンティング用として開発された弾薬である。

 1920年頃から1960年頃まで、世界中では30口径のハンティング用弾薬の開発が盛んに行われていた。1925年にホーランド&ホーランド社から.300H&Hマグナムが、1944年にはウェザビー社から.300ウェザビーマグナムが登場し、瞬く間に普及した。
 1958年、ウィンチェスター社は.338ウィンチェスターマグナムを発表した。その後、一般人のシューターらによって、この弾薬を30口径までネックダウンさせた.30-338ウィンチェスターマグナムがワイルドキャットカートリッジとして登場した。

 この流れを受け、1963年にウィンチェスター社は.338ウィンチェスターマグナムを30口径にネックダウンした.300ウィンチェスターマグナムを発表した。撃ちやすく十分なパワーを持つ弾薬として、.300ウィンチェスターマグナムはレミントンM700ウィンチェスターM70などに採用されハンティング用マグナム弾としての地位を確立した。

 元々はハンティング用弾薬として開発された.300ウィンチェスターマグナムであるが、7.62mm×51弾では困難な1km前後の遠距離狙撃を想定した軍用狙撃銃弾薬としても使用されている。1997年にドイツ連邦軍がG22を採用した他、2010年にはアメリカ陸軍M2010を採用した。元ネイビーシールズ隊員のクリス・カイルも、.300ウィンチェスターマグナム仕様のMk13ライフルを愛用していたという。

 米軍SOCOMでは、1992年から調達の容易さとコストの低さから.338 ラプアマグナム弾ではなくこちらを採用することを決定し、1993年に「Mk.248 mod.0」として採用された。
 2009年まで改良され採用された「Mk.248 mod.1」では、若干劣るエネルギー以外は.338ラプアマグナム弾と同等の性能を実現しており、狩猟用に長年研究された弾頭は高いフラグメンテーション性能を持つため対人威力では.338ラプアマグナム弾を上回る。また、小口径化によって携行弾薬や銃本体の重量低減にも成功している。*1

弾丸直径薬莢全長リム形状重量銃口初速初活力有効射程代表的な銃
7.62mm67mmベルテッド14.3g(220gr)2850 ft/s3972 ft-lbs1300mレミントンM700
AI AWM

※データは 英語版Wikipedia からのもので、あくまで一例です。
弾薬の種類や製造元、発射する銃によって数値は異なります。


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*1 以上、NRA特集記事「Mk.248 mod.1」より。 https://www.americanrifleman.org/articles/2017/5/24/unsung-hero-the-mk-248-mod-1/

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Last-modified: 2020-03-03 (火) 06:43:59 (1505d)