薬莢入れ / Brass Saver

 機関銃自動小銃などの自動式火器から排出される薬莢を受けてためておく袋。『薬莢袋』とも言うが、布の袋以外に樹脂製のものなどもある。
 名称・呼称は様々で、旧日本帝国陸軍では『打殻受(うちがらうけ)』、現在の自衛隊では『薬莢受け』、英語でも『ブラスセーバー』、『ブラスキャッチャー』、『カートキャッチャー』などの呼称が見受けられる。

 かつて極端に予算が乏しく、空包さえ使えなかったこともあった*1自衛隊では、空薬莢といえど無駄にはできず、飛び散る薬莢を回収している光景がよく見られた。防衛予算が世界で五指に入るほどとなった現在も、薬莢の回収について自衛隊は殊のほか神経質で、演習や実包射撃訓練となれば、薬莢入れを取り付けた89式や、魚取りの網を構えた薬莢回収役の隊員の姿などを見ることが出来る(米軍との合同演習の際、弾倉に残った弾を景気良く発砲し薬莢をぶちまける米兵の横で地面に落ちた薬莢や薬莢入れの薬莢を数える自衛官、という光景は珍しくない)。
 そんな貧乏くさいところがしばしば揶揄されることもあるが、自衛隊の場合は、銃刀法の規制対象となる空薬莢を厳密に管理する必要がある、という特別の事情もある。また、空薬莢は弾頭と装薬、雷管を再装填(リロード)すればある程度は再利用が可能なので、薬莢入れは民間でも広く使われている。

 ヘリや車両に搭載する機関銃では、機内・車内に薬莢や有毒な発射ガスがまき散らされないように薬莢入れを用意することが多い。近年では屋内戦の際、狭い室内に散らばった薬莢を踏んで転倒してしまうリスクを避けるため、短機関銃カービンに薬莢入れを取り付けることもある。
 また実際に行われているかどうかは不明だが、メディアでは暗殺用の拳銃に取り付けて、薬莢の落ちる音を立てず、現場に証拠(空薬莢)を残さない小道具として使われることもある。
 しかし、そういった目的以外ではむしろジャムの原因となることがあるため、使用されることは少ない。


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  • 横流しもそうだけど、日本は空薬きょうも銃刀法の規制対象になるから、それをちゃんと回収する目的もある。 -- 2013-06-25 (火) 22:16:56
  • 空薬莢って銃刀法の規制対象になったっけ? -- 2014-03-24 (月) 21:43:36
  • 素人は良く分からない -- 2014-03-25 (火) 09:46:41
  • 空薬莢は規制対象じゃ無かったはず。火薬と雷管と火薬、雷管、弾丸、薬莢などを組み合わせた実包が規制対象だったと思う -- 2014-08-17 (日) 05:58:34
  • 今でもバンバン言ってるし回収して空包にしてるよ。 -- 2014-08-17 (日) 06:09:52
  • 口でバンバンは予算と言うより安全管理上の問題が大きい。普通科だけでも全国数万人の自衛官が毎日空砲撃ってたら数年に一度は死人が出るぞ -- 2014-09-15 (月) 13:33:51
  • ここで言ってる薬莢って実包のモノ?それとも空包?実弾射撃で薬莢受け何てつけたことないし戦闘訓練で実弾何て安全管理上使えないし・・・ -- 2014-09-15 (月) 17:00:47
  • ↑x2聞くところによると米軍も新兵とかにはまず口鉄砲させるらしいし、安全管理上必要なんだろうね。でも、流石に重傷はともかく死人はあからさまに銃口が近いとかじゃないとないんじゃない?彼らのレベルはどうあれ、そんな事はプロのやるミスであってほしくないけど。 -- 2014-09-15 (月) 18:16:06
  • なるほど日本もそういう事情があってやってたのね。しかもなんとも涙ぐましい努力だ… -- 2016-08-29 (月) 19:11:52
  • とはいえ昔サブマシンガンを空に乱射したら落ちてきた弾が当たって民間人が死んだ事件があるのでありうる話。 -- ナナシン? 2019-08-24 (土) 16:16:22
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*1 なんと、口で「パン、パン」と発砲音をまねて訓練していたと言う。また現在でも行われていると思われる。

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Last-modified: 2021-04-25 (日) 22:36:22 (1090d)