中華人民共和国 81式自動歩槍 【突撃銃】

上/下:81-1式/81式
モデル全長(/銃床折畳時)銃身長重量口径装弾数連射速度発射形式製造国
81式955mm445mm(37.6in)3.5kg7.62mm×3920/30/40/75/100650〜750発/分S/F中国
81-1式955/730mm445mm(37.6in)3.5kg
81式班用機槍1,004mm520mm(20.47in)5.2kg
81式955mm445mm(37.6in)3.5kg5.56mm x4510/30/40/90650〜750発/分S
EM-356940/730mm440mm(17.32in)3.9kg5.8mm×4230700発/分S/F
CS-LR141,010/785mm4.5kg7.62mm×5120

 中国が1981年に採用した突撃銃。1971年5月19日に"第二世代自動歩槍方案"*1の計画名で国営296廠(建設機械廠)、国営386廠、国営626廠(慶華工具廠)、第208研究所による競作が始まり、1981年に国営296廠が設計製作した銃が採用された。
 1983年から、56式冲鋒槍56式半自動歩槍63式自動歩槍の後継として中国人民解放軍への配備が始まったが、完全置換が完了する前に後継の95式自動歩槍が完成している。また、武装警察にも配備された。

 56式冲鋒槍のコピー元であるAK然とした外見だが、SKSのコピーである56式半自動歩槍に由来を持つ63式自動歩槍の改良型として開発された経緯があり、内部機構などはSKSに似ている。1979年までの試作銃はピストルグリップが無い事もあって63式自動歩槍や現代でいうAKのスポーターモデルに似た外観のものだった。
 内部機構は63式から大部分が踏襲されている。作動方式はショートストロークガスピストンを用いたガス圧利用式、ボルトロッキング機構はターンロックボルト式が用いられている。ガスレギュレーターは2段階調整とライフルグレネード発射用のカットオフポジションが備えられている。
 ホールドオープン機構も63式と同様に備えられている。ただし81式専用マガジンや63式専用マガジンのようなホールドオープン対応のマガジンを使用しなければ正しく動作しない。一例が分隊支援火器モデルの81式班用機槍用ドラムマガジンで、マガジンフォロワーの突起が無いため作動しない。また、56式やAKのマガジンを使用した場合はスライドストップ機構にマガジンが干渉するため、残弾の有無に関わらずホールドオープンしてしまう。これは81式班用機槍用ドラムマガジンのように、干渉する箇所を削りとってしまうことで解決できる。
 63式でトリガーガード前方の右側にあったセレクターはレシーバー左側に移され、右手の親指だけで操作可能となっている。1980年台後半にアメリカへの輸出用に製造された81S式ではセレクターは除去されトリガーの後ろにSKSと同様のセイフティが備えられていたが、現行の輸出モデルは軍用モデルと同形状のセレクターながらもセミオートのみの仕様となっている。
 外装はスチール製でストック*2やグリップとフォアエンドは木製。アイアンサイトはAK系とは異なったデザインになっており、100から500メートルの間で調整可能。銃口部の消炎制退器擲弾発射器を兼ねており、外径が22mmとなっているためNATO標準規格のライフルグレネードが使用可能となっている。銃剣は脱着式のナイフ形銃剣となっている。

 中国軍で採用された派生型としては折畳銃床型の81-1式自動歩槍の他に、分隊支援火器型として56式班用機槍を更新する為に開発された81式班用機槍がある。
 この81式班用機槍はRPKのように75連ドラムマガジンを使用するが、このドラムマガジンはRPKのものとは全く異なる構造で、実際には81式の前に試作された74式軽機槍の101連ドラムマガジン*3の改良型であり、その74式のドラムマガジン自体はトンプソンを参考に開発されている。この81式のドラムマガジンは使い勝手が良いのかコピー品が多く、ルーマニア、韓国のKCI社*4とRWB社、アメリカのProMagがコピー品を製造販売している他、中国国内でも後継の95式班用機槍携行自動擲弾発射器であるQLZ-87にほぼそのままの構造が採用されている。

 本国では中越戦争に用いられたきり後継を95式に譲ったが、2016年以降でも一部の後方部隊で81式が配備されている事が確認されている*5
 外国への輸出は大いに行われたようで、スリランカやシリアといったアジアや中東の諸地域や、アルジェリアなどのようなアフリカ諸国で使用されており、AKに似た外観からか"AK81"と呼称されてる事もあるようだ。またカナダなどの民間銃器市場への輸出も行われている。

各種バリエーション

 前述の通り各国へ輸出されたため、派生モデルも多く作られた。存在すると目される81式の系列モデルを一覧にすると以下の通り。

モデル解説
81式基本モデル
81-1式折り畳み式ストックモデル。多く用いられたのはこちらだった
81式班用機槍分隊支援火器モデル。ヘビーバレルやバイポッドドラムマガジンが装備されている。
銃本体は民間へ販売されていないが、ドラムマガジン単体は81式や56式の輸出モデルと共にアメリカ市場で販売されていた。
81S式1980年台後半に製造されたアメリカ市場向け輸出用モデル。輸出は1989年に中止された。
EM-356という5.56mm x45弾モデルも存在した
NR-81S81S式の改良モデルで、ヨーロッパ市場向けの輸出用に開発された
T81 SA81式のセミオートモデル
T81-1 SAT81 SAの折り畳み式ストックモデル
T81 SRT81 SAの狙撃銃モデル
87-1式5.8mm×42弾モデルの試作品
87式
87-A式
5.8mm口径の試作品。87式は試作の5.8mm×39弾仕様
人民解放軍の部隊に配備されて評価試験が行われた。
CS/LR142014年に開発された近代化、7.62mm×51弾モデル
NAR-10CS/LR14のセミオートモデル
BD-08バングラデシュでのライセンス生産モデル。
生産はBOF(バングラデシュ火器工廠)が行い、機関銃タイプや改良型の「BD-08 Mk2」も開発された
カチン独立軍仕様ミャンマーの少数民族であるカチン族の民兵(カチン独立軍)へ中国から供与されたモデル。
黒色ポリマーモデルや緑色ポリマーモデル、グレネードランチャー装着モデルなどの存在が確認されている
 

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  • あえて言わせてもらおう…51番目であると!
    ページ作成の際に参考にしたもの:英中日ウィキペディア( ttps://en.wikipedia.org/wiki/Type_81_assault_rifle )、Modern Firearms( ttp://world.guns.ru/assault/ch/type-1-e.html )、TACTICAL-LIFE( ttp://www.tactical-life.com/firearms/chinese-type-81/#type-81-lead ) -- Capt.Aker? 2017-02-17 (金) 18:55:11
  • リンクをいくつか追加しました -- 2017-02-17 (金) 19:53:44
  • 英国版ウィキペディアに。マガジンはAKの物とは別物で、互換性はないという情報があります。 -- 2018-06-09 (土) 15:32:59
  • TAPCOのAKマガジン使ってる動画があけども、英版wikiのどの辺りの記述について言ってるんです? ttps://www.youtube.com/watch?v=SLNVyjQKnKM -- 2018-06-10 (日) 05:04:02
  • AKと比較した時の使い心地(構えた感じとか反動とか)の違いとか気になります。 -- 2022-05-16 (月) 20:48:59
  • 81式が多く輸出されてるカナダではAKに対して厳しい規制があるので、その比較がされる事は殆ど無いよ。 -- 2022-05-16 (月) 22:00:19
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*1 第一世代は63式自動歩槍のこと。
*2 81-1式等ではスチールの基部ポリマー製のカバーで構成されている
*3 最終弾から2発を給弾する機構が無いため、実質的には99連となっている。
*4 正式名称は慶昌産業株式会社(Kyung Chang Industry Co.)
*5 2015年12月31日に第二砲兵から改称された火箭軍での運用が確認されている。 ttps://www.youtube.com/watch?v=QZLu7mnZSU0&t=20s

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Last-modified: 2023-12-21 (木) 02:23:24 (121d)