FN モデル1903 / FN Model 1903 【自動拳銃】

スウェーデン・ハスクバーナ社によるライセンス生産モデル「M1907」
全長銃身長重量口径装弾数製造国
205mm127mm (5in)930g9mm×20 Browning Long7+1ベルギー

 ジョン・ブローニングによる設計をもとに、ベルギーのFN社が製造したシングルアクション自動拳銃。同社初の自動拳銃「M1900」に続く製品であることから「ブローニング No.2」とも呼ばれる。
 ブローニングは本銃のベースとなった設計を複数社に売却したため、類似の拳銃が多く存在する。その一つであるコルト社のM1903.32ACP弾および.380ACP弾を使用するモデルだが、FNの本銃はより強力な9mmブローニングロング弾を使用することから、若干大振りとなっている。

 作動方式はシンプルブローバックで、撃発は内蔵ハンマー。安全機構としてフレーム左後部のマニュアルセイフティ(シアとスライドを固定する)とグリップセイフティを備えている。フレーム右側にスライドストップ用のレバーがあるが、リリースするにはスライドのほうを操作する必要がある。マガジンリリースレバーはグリップ底部に配されている。軍用モデルには、上掲写真のようにグリップにランヤードリングが追加されている。

 当時のヨーロッパ各国(ベルギー、スウェーデン、ドイツ帝国、イギリス、オスマン帝国、ロシア帝国など)の警察や軍で数多く使用された。スウェーデン軍では"m/1907"として制式採用され、およそ10,000挺が発注されたのに加え、同国のハスクバーナ社において1942年までライセンス生産も行われ、およそ94,000挺が製造された。また、ロシア帝国向けにはホルスターストック付きモデルが生産されている。
 第一次世界大戦中、ドイツ軍のベルギー侵攻によってFN社の工場は一旦閉鎖されたが、戦後生産が再開されると、エストニアやパラグアイ、エルサルバドルなどへも輸出された。1927年の生産終了までに、FN社ではおよそ60,000挺のM1903が製造された。1930年代にはエストニアに渡った銃がスペインへ売却、また非正規生産され、スペイン内戦で使用された。
 第二次世界大戦後は、ヨーロッパ各国で使われた大量のM1903が民間へ払い下げられている。これらはアメリカへも輸出され、.380ACPモデルに改修され販売されていた。

登場作品ジャンル使用者備考
Hrísní lidé mesta prazskéhoTVドラマジョセフ・ピルコ
Ispytatelnyy Srok映画ザイツェフ
Le majordome映画刑事
陰謀の報酬映画リチャード・ハネー
エンゲル
オリエント急行殺人事件映画エドワード・ラチェット
エルキュール・ポアロエドワード殺害の現場検証で検分
ギャング映画暗殺者
罪と罰映画アンティ・ライカイネン
ディック・トレイシー映画ディック・トレイシー
バトルフィールド 1項目参照
野獣戦争映画ミスターT
レッドコブラ映画ホルガー博士
レッド・デッド・リデンプション項目参照
ロスト・チルドレン映画ボグダン

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 9×20でもシンプルブローバックで大丈夫なんだね -- 2017-07-20 (木) 18:13:08
  • だって9x20mmブローニングは薬莢長は長いけどエネルギー的にはマカロフ弾ぐらいだから。 -- 2017-07-20 (木) 18:48:01
  • 昨日放送された「オリエント急行殺人事件」でエルキュール・ポアロとエドワード・ラチェットが所持。エドワード・ラチェットの所持品。彼の殺害後の現場検証でエルキュール・ポアロが検分。この作品は薄暗いシーンや暗いシーンが多く、後半でドクター・アーバスノットが発砲した自動拳銃がM1903だとは特定できませんでしたがimfdbだとM1903となっています。同じくにimfdbよると、ブークも所持していた自動拳銃もM1903となっています(ほぼグリップしか写っていなかったのでこちらは全く分かりませんでした)。ttp://www.imfdb.org/wiki/Murder_on_the_Orient_Express_(2017) エルキュール・ポアロの検分後にブークとドクター・アーバスノットに渡った描写は無かったはずなので、左記の二人のものがエドワード・ラチェットの所持品だったのかは分かりません。 -- 2020-10-04 (日) 16:50:36
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Last-modified: 2022-07-07 (木) 23:08:56 (657d)