パイパー モデル1908 / Pieper Model 1908 【自動拳銃】

M1908の無可動実銃
口径全長銃身長重量装弾数製造国
.32 ACP123mm54mm440g5/7+1ベルギー
126mm57mm461g
.380 ACP126mm57mm466g
.25 ACP126mm56mm428g6+1

 M1908は、ベルギーのパイパー社(Anciens Etablissements Pieper)が1908〜1930年後半にかけて製造していた、シングルアクション式の自動拳銃である。

 作動方式はシンプルブローバックFN社のM1900と同様に、銃身上部にリコイルスプリング/ガイドロッドを配した構造をしている。そのため、排莢口はスライド側ではなくフレーム側に設けてある。
 ハンマーは内蔵式。フレーム左側後部にマニュアルセイフティ、グリップ底部にマガジンリリースレバーを備えている。フロントサイトはテイクダウン用の固定部品を兼用しており、取り外せる仕組みになっている。

 後期型(.32ACPモデル)になると、スライドのコッキングセレーションがトライアングラーカット(初期型はスクエアカット)、マニュアルセイフティの小型化、マガジンリリースレバーの大型化、グリップスクリューが2つ(初期型は1つ)、などの改良が施されている。また、銃身を含む全長が延長され、レシーバーも厚めになっているので重量も増加している。.25ACPモデルは、全体的なサイズは.32ACPモデル/.380ACPモデルとほぼ変わらないが、スライドとトリガーガードの形状が変更されている。

 基本設計は、ベルギー人の銃器デザイナーであるベルナルド・クラウスによるものを流用している。彼は自身が設計した銃のパテントを各国に売却しており、それを購入したパイパー社が、同社のトレードマークである“バヤール(Bayard。魔法の馬、の意)”*1を銃のブランドに用いて、製造・販売を行っていた。
 第一次世界大戦に起きたドイツによるベルギー侵攻では、パイパー社の工場は武器・弾薬供給のために接収されてしまう。その間もM1908の製造は続いたが、それらの銃にはドイツ帝国の国章である“黒い鷲”の刻印が入れられている。また、ドイツ軍向けに製造されたM1908は、全て.32ACPモデルになる。

登場作品ジャンル使用者備考
30 prípadu majora ZemanaTVドラマハイジャック犯シーズン3・第8話
怪人マブゼ博士映画ブレドウ郵便受けから投げる
野獣死すべし・復讐編小説伊達邦彦ラストで使用

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最新の10件を表示しています。 コメントページを参照

  • 何だこの拳銃 初めて見た -- 2016-09-15 (木) 00:06:26
  • 『野獣死すべし・復讐編』ラストで伊達邦彦が使用していました。どなたか追加をお願いいたします -- ハインケル? 2018-04-06 (金) 18:22:24
  • ↑に追記。映画ではなく原作の小説のほうでした。お手数をお掛けします -- ハインケル? 2018-04-06 (金) 19:43:48
  • 使ってませんよ。クッションの下からだしたのはベアードだし、最後の銃撃戦はルーガーですよ。 -- エースのジョー? 2018-04-08 (日) 14:15:27
  • ベアードのつもりで、追加してくれと書きこんだのですが……ラスト、と言うより後半と書いたほうがよろしかったですか? -- ハインケル? 2018-04-15 (日) 22:25:07
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*1 日本では“ベアード”という呼称が用いられる場合もある。
*2 無可動実銃を販売しているイギリスの会社。

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Last-modified: 2018-04-06 (金) 19:47:41 (2204d)