ステアー モデル1908 / Steyr Model 1908 【自動拳銃】

ステアー M1908の無可動実銃
モデル全長銃身長重量口径装弾数製造国
M1908162mm92mm (3.62in)630g.32 ACP7+1オーストリア
M1909125mm57mm (2.24in)325g.25 ACP6+1

 M1908は、オーストリアのステアー社が1909〜1911年及び1919〜1929年に製造していた、シングルアクション式の自動拳銃である。
 基本設計はベルギーのパイパー社によるものであり、そのパテントを購入したステアー社により改良されたのが本銃となる。

ステアー M1908/34

 パイパー社による基本設計からの変更点は、銃身とグリップの延長、アイアンサイトの形状変更、グリップパネルの固定ネジを1個から2個に変更、など。
 作動方式はシンプルブローバック。フレーム先端を軸として銃身がテイクダウンする“チップダウンバレル”という構造をしている。銃身上部にはリコイルスプリングとガイドロッドが配してあり、ロッド後端とスライド先端が噛み合うようになっている。フレーム左側にはバレルロック用のレバーがある。ハンマーは内蔵式。フレーム左側後部にマニュアルセイフティ、グリップ後部にマガジンリリースレバーを備えている。スライドストップ機能は付いていない。フレーム後部には、コッキング状態を確認するハンマーインジケーターというピンがある。また、弾倉を引き抜きやすくするため、マガジンプレート後部が極端に延長されている。
 製造工程と部品点数を省くためエキストラクターは備えておらず、代わりにブリーチ後部に燃焼ガスの抜け穴が設けてある。燃焼ガスの圧力で排莢する機構を採用しているが、不発弾の場合はスライド操作で強制排出ができないので、銃身を折り曲げた上で、ツール等を使って直接取り除く必要がある。

 後に改良モデルの「M1908/34」が登場。M1908のスライドは小型で操作し辛かったことから、より大型のものに変更されている。スライドがフレーム両脇を覆うような形状になったので、M1908では露出していた排莢口は塞がれている。それに伴い、リアサイトコッキングセレーションの形状も変更された。1909年には、.25ACP弾を使用する小型モデル「M1909」が登場。これには、ロングバレルを備えたモデルも存在する。
 また、アメリカ輸出向けとして.45ACP弾を使用する試作モデルも開発されている。

 オーストリア・ハンガリー帝国の軍や警察では、個人が購入するサイドアームとして人気があった。

登場作品ジャンル使用者備考
BorsTVドラマボーズM1908
士官

このページの画像はArundel Militaria*1及びウィキメディア・コモンズから転載しています。
転載に関しては、転載元の転載規約に従って行ってください。


コメントはありません。 Comments/自動拳銃/ステアー M1908?

お名前:


*1 無可動実銃を販売しているイギリスの会社。

トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2016-09-16 (金) 00:06:06 (2770d)