ウィンチェスター M1897 / Winchester Model 1897 【散弾銃】 †
全長 | 重量 | 口径 | 装弾数 | 製造国 |
985mm | 3.3kg | 12ゲージ | 5 | アメリカ |
ジョン・ブローニングが設計したM1893散弾銃を自ら改良したポンプアクション式散弾銃。
民間、軍隊、警察などでのべ百万挺以上が使用された、第二次世界大戦以前のポンプアクション散弾銃の代名詞的存在である。
元がレバーアクション式だった物をポンプアクションに改めたため、後のモデルと異なり、ハンマーが露出しているのが大きな特徴。そのためレシーバーの全長が若干短く、排莢孔のカバーを設けるスペースもないため、内部がのぞけるようになっている。
また、当時狩猟用としてポピュラーだった水平二連式散弾銃の素早い連続射撃に対抗するべく、後のイサカ M37の様にトリガーを引きっぱなしでフォアエンドを前後させることで連射(スラムファイア参照)が可能になっている。鳥撃ちの際などに素早い次弾発射を行えるようにした機能である。
登場当初、銃身とレシーバーは一体の設計だったが、のちに銃を前後二つにテイクダウン(分解)することが可能なモデルが登場している。
創作ではこの機能を使い、分解したものを短時間で組み立てる描写も見られる(『ブリット』、『ローリング・サンダー』など)が、あくまで収納に便利なよう追加された機能なので、実際には短時間で簡単に組み立てられるわけではない。
特にバックショット(鹿撃ち弾)を装填したM1897は、19世紀末の米比戦争で、トランス状態のモロ族戦士との接近戦で効果をあげた。
第一次世界大戦では、塹壕戦の狭所戦闘で高い有効性を発揮し、『トレンチガン(塹壕銃)』の異名を得るほどまでに活躍。その猛威にさらされた当時のドイツがハーグ協定違反だとして何とか使用をやめさせようとしたほどであった*1。
このとき使用されたのが、上掲画像の外観のモデルで、塹壕戦で扱いやすくするためバレルが若干短くなり、M1917バヨネットを装着するための着剣装置が加わっている。また過熱した銃身から射手の手を守るため、バレルジャケットも追加されているのが特徴である。
後にハンマー内蔵式のM12も作られ、さらにこれからM1200、M1300に発展。
M12、M1200はアメリカ軍にも納入され、こちらも同様の『トレンチガン』仕様に仕上げられた物がある。M1200トレンチガンは少数ながらベトナム戦争にも投入されたが、この頃にはイサカM37などの優秀なライバルが多く登場しており、重量のあるM1200はあまり人気がなかったと言う。
画像"m1897.jpg"はコピーレフト画像です。